1. 東京都千代田区・社会保険労務士法人ACROSEED
  2. メールマガジン
  3. メールマガジン2011年08月号

メールマガジン2011年09号

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2011年09月 Vol.32

1.人事・総務ニュース

8月のできごと

大卒の進路未定、2年連続10万人超(8月19日)

 今年の春に大学を卒業した人のうち、進学や定職に就かなかった人が約10万7,000人であることが、8月4日に公表された文部科学省の「学校基本調査(速報)」で分かりました。
 就職率は61.6%で、前年とほぼ横ばいで推移。進路が決まらない人が10万人を超えるのも2年連続で、リーマン・ショック以降、企業の新卒採用が縮小している影響とみられています。

「ねんきん定期便」等に関する検討会を立上げ 厚労省 (8月9日)

 厚生労働省は、「ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会」を立ち上げました。年金記録問題の再発防止・加入者サービスの向上に向け、国民自身がいつでも手軽に年金記録の確認ができる効率的な記録確認のあり方を検討するのが目的とされており、定期便のネット化等について議論していきます。

宮城県の災害復旧現場で労災事故死が3件 (8月8日)

 宮城労働局は、災害復旧現場における労働災害による死者が3人、負傷者が94人(7月末現在)に上ると発表した。事故形態別では「落下事故」34人、「挟まれ・巻き込まれ」14人、「転倒」11人などとなっています。  同局ではパトロールを開始し、再発防止の徹底を指導する方針です。

新卒学生の内定取消し 全国で556人  (8月5日)

 厚生労働省は、今春、内定を取り消された新卒学生が7月末時点で556人(高校生312人、大学・専門学校生244人)になったと発表しました。そのうち、震災を理由に内定を取り消された人は427人。また、震災を理由に自宅待機や入社日の延期を求められた人が2,472人いたこともわかりました。

介護保険サービスの利用者が過去最高に (8月5日)

 厚生労働省が2010年度の「介護給付費実態調査」の結果を発表し、介護保険サービスの利用者が約492万8,200人(前年度比約24万人増)となったことがわかりました。過去最多を3年連続で更新し、この10年間で1.7倍になりました。

離職率が2年ぶりに低下 離職者数は約643万人 (8月4日)

 厚生労働省が2010年の「雇用動向調査」の結果を発表し、離職率(労働者全体のうち、昨年1年間に自己都合や解雇などで仕事を辞めた人の割合)が14.5%(前年比1.9ポイント減)となったことがわかりました。離職者数は約643万人でした。

国年保険料の追納期間を「2年」から「10年」に延長 (8月4日)

 国民年金保険料の未納分を過去に遡って追納することのできる期間を、現行の「2年間」から「10年間」に延長する国民年金法改正案が可決・成立しました。追納期間延長は3年間の時限措置。その他、加入上限年齢を60歳から65歳に引き上げ、従業員個人の掛金拠出を可能とする確定拠出年金法改正案も成立しました。

「雇用促進税制」の受付がハローワークでスタート (8月1日)

 雇用を増加した企業を対象に減税を行う「雇用促進税制」の受付が、全国のハローワークで始まりました。本年度分における申請で約350億円の減税が見込まれています。

2.社会保険ワンポイント・ゼミナール

育休中の保険料免除はいつまで?(健康保険・厚生年金)

 育児休業中の女性社員から、子が1歳6ヶ月を過ぎても預けられる保育所が見つかりそうもないので、育児休業を再度延長してほしいという連絡がありました。当社の規定では延長の申し出は1回しかできないことになっていますが、実績をよく聴いたうえで、今回は例外的に認めようと思います。1歳6カ月を過ぎての育児休業の場合でも、社会保険料は免除されるのでしょうか?

育児休業とは?

 「育児・介護休業法」に定める育児休業の期間は、原則として、養育する子が1歳に達するまでをいい、両親ともに育児休業をする場合の特例で「1歳2ヵ月」まで、保育所に入所を希望していても入所できないなど一定の事情がある場合は、延長により「1歳6ヵ月」までの期間を含めたものをいいます。

 また、これらの期間を超えて、小学校に就学するまでの期間については、「育児休業に関する制度」と呼び方は区別していますが、実質的には通常の育児休業と同じで、法令では努力義務として、事業主にこの制度に準ずる措置を講ずることを求めています。

保険料免除期間は

 社会保険料(健康保険および厚生年金保険)が免除される育児休業は、最大で養育する子が「3歳」に達するまでの期間です。通常の保険料は月単位で賦課されますので、実際は、育児休業を開始した日の属する月からその育児休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間となっています。また、この間に賞与の支払いがあれば、賞与にかかる保険料も免除されます。

 また、この間に賞与の支払いがあれば、賞与にかかる保険料も免除されます。

免除を受けるための申し出

 保険料の免除を受けるためには、「健康保険・厚生年金保険育児休業等取得者申出書」を年金事務所や健康保険組合などに提出しなければなりませんが、この申し出は、次の育児休業等を取得するたびに行う必要があります。

(1)1歳に満たない子を養育するための育児休業
(2)1歳から1歳6ヵ月に達するまでの子を養育するための育児休業
(3)1歳(上記(2)の休業の申し出をすることができる場合にあっては1歳6ヵ月)から3歳に達するまでの子を養育するための育児休業の制度に準ずる措置による休業

ワンポイントチェック

 雇用保険の育児休業給付の支給対象となる期間は、育児休業を延長した場合でも、最大で子が1歳6ヵ月に達するまでとなっています。育児休業中の社会保険料の免除が可能な期間(3歳まで)とは異なりますので、注意しましょう。

3.人事・総務 参考資料

 子育て期にある従業員の両立支援を積極的に行う事業主に支給される「両立支援レベルアップ助成金」について、申請受付や支給を行う機関が21世紀職業財団から労働局雇用均等室に変わることに伴い、9月1日から助成金の名称や支給要件などの変更が行われます。

両立支援助成金の概要

子育て期の短時間勤務支援助成金

 子を養育する労働者のための短時間勤務制度を設け、利用者が生じたときに、雇用する労働者数などに応じて一定額が支給され   ます。(両立支援レベルアップ助成金の子育て期の短時間勤務支援コースの内容が引き継がれます)

事業所内保育施設設置・運営等支援助成金

 労働者のための保育施設を事業所内(労働者の通勤経路またはその近接地域を含む)に設置、運営及び増築を行う事業主等  に、その費用の一部が支給されます。(従来の事業所内保育施設設置・運営等助成金の内容が引き継がれます)

中小企業両立支援助成金の概要

 従来の両立支援レベルアップ助成金から次の変更が行われます。
 ①支給対象を労働者数300人以下の事業主に限定
 ②次世代育成支援対策推進法に定める「一般事業主行動計画」の届出等を事業主の規模にかかわらず要件に追加
 ③事業所ごとの申請から事業主(企業)単位での申請に変更

代替要員確保コース

 育児休業取得者の代替要員を確保し、育児休業取得者を育児休業終了後に原職または原職相当職に復帰させたときに、育児  休業取得者1人あたり15万円が支給されます。

休業中能力アップコース

 育児休業または介護休業を取得した労働者がスムーズに職場に復帰できるよう、適応性や能力の開発・向上を図るためのプログラムを計画的に実施した事業主に対して、プログラムの内容・実施期間に応じて、1人あたり21万円までが支給されます。

4.労務管理

 採用後5年目から1年以上の間、私傷病のため休職していた従業員がこのほど復職する予定なのですが、年次有給休暇は休職期間中には新しく付与しなくてもかまいませんか?また、1年以上勤務していないので、復職後は新規の採用と同様に6ヵ月経過後に10日与えることで問題はありませんか?
  

休職期間中の年休の付与

 労働基準法(第39条)では、使用者は、雇入れの日から起算して6ヵ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、10日分の年次有給休暇を与えなければならないとし、その後は1年ごとに、継続勤務年数の区分に応じて所定の日数を加算した年次有給休暇を与えなければならないと定めています。

 ただし、1年ごとの各期間の全労働日の8割以上出勤する要件を満たすことが必要とされています。

 休職の理由が業務上以外の負傷・疾病の療養である場合、出勤率の算定の際には、休職期間は出勤しなかったものとして扱うことができます。したがって、休職期間中に到来した付与日の前1年間の出勤率が全労働日の8割未満であれば、新規に年次有給休暇を与える必要はありません。これは、法律に基づいた扱いですが、就業規則などで出勤率の算定に際して休職期間を出勤したとみなすような定めがある場合は、休職期間中でも新規に付与しなければならないことがあります。

「継続勤務」の意味

 一方、「継続勤務」とは、使用者と労働者の間に労働契約が存続している期間、つまり在籍期間をいい、継続勤務にあたるか否かについては、勤務の実態に基づいて実質的に判断するべきものとされています。

 具体的には、主に次のような場合が継続勤務に含まれるとされています。

○定年退職者を引き続き再雇用する場合
(ただし、退職と再雇用との間に相当期間があり、客観的に労働関係が断続していると認められる場合は除く)
○在籍型の出向をした場合
○休職とされていた者が復職した場合
○パートなどを正規職員に切替えた場合

 休職期間があっても労働契約は存続しているので、年休の付与における継続勤務年数から休職期間を除くことはできません。したがって、復職後に到来する次の付与日において、採用日からの継続勤務年数をもとに新規の年休日数を決めることになります。(ただし、前述の出勤率の算定結果により、新規に発生しないこともあります。)

復職者への説明

 病気休職が終わって復職する人は、自分の病気が再発するのではないか、また体調を悪くするのではないかなどと考える傾向があり、休職期間中または復職後の年休付与がどうなるのか関心を持つことでしょう。就業規則などを確認して、年休の扱いについて本人にしっかり説明しておくことが大切です。