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メールマガジン2012年6月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2012年6月 Vol.41

1.人事・総務ニュース

5月のできごと

2010年、15歳以上の労働力率61.2%   ~国勢調査「産業等基本集計結果」~

 総務省は24日、2010年国勢調査の産業等基本集計結果を公表しました。人口の労働力状態、産業別の就業者数などを集計しており、15歳以上人口の労働力率は61.2%で2000年以降低下しています。

 男性73.8%、女性49.6%で、男女雇用機会均等法が公布された1985年以降の動きをみると、男性が一貫して低下しているのに対して、女性は最も高くなっており、M字カーブの谷が30~34歳から35歳~39歳に上昇しました。

平成22年公的年金加入状況等調査  ~67%が自分の年金記録を確認~

 厚生労働省はこのほど、平成22年「公的年金加入状況等調査」の概要をとりまとめました。

 この調査は、平成22年11月30日現在における全国の15歳以上の人を対象とするもので、「過去3年程度の間に自身の年金記録を確認したことがあるか」という質問に対して、20歳以上の人のうち「ある」と回答した割合は67.4%であることが分かりました。年齢別の割合では、「60~64歳」(83.9%)が最も多く、「25~29歳」(53.9%)でも約半数の人が確認しています。

 確認のきっかけとしては、大多数の人が「ねんきん特別便」や「ねんきん定期便」等の通知を見たことを挙げています。

地域主権戦略会議が枠組み合意 ~「ハローワーク特区」を10月始動へ~

  国の出先機関を原則廃止とするアクション・プランを検討している地域主権戦略会議のワーキングチームは5月7日、「ハローワーク特区」の枠組みについて合意しました。

  ハローワーク特区は、試行的に、東西1ヶ所ずつ国の機関であるハローワークが地方に移管されているのと実質的に同じ状況を作り、移管の可能性を検証するものです。

  移管が行われると、国が行う無料職業紹介や雇用保険の認定・給付等の事務と、地方が行う無料職業紹介、職業能力開発、公営住宅、福祉等に関する相談業務等が地方自治体の主導のもとで一体的に実施され、利用者のさまざまなニーズにきめ細かく対応することが可能になるとみられています。

  今回特区となったのは、ハローワーク浦和とハローワーク佐賀の2ヶ所で、平成24年10月からの事業開始をめどに、厚生労働省は具体的な取組みの内容について所要の措置を講じることにしています。

日本生産性本部・新入社員の意識調査 ~「今の会社に一生勤める」が6割超~

 公益財団法人日本生産性本部が、今年春に新入社員を対象に実施した意識調査によると、転職に関する自身の考え方として、「今の会社に一生勤めようと思っている]とする回答が過去最高の60.1%となりました。

 一方、「きっかけ、チャンスがあれば転職しても良い」とする回答は26.6%と過去最低で、両者の差は33.5ポイントと最大になりました。

 また、「将来への自分のキャリアプランを考える上では、社内で出世するより、自分で起業して独立したい」とする回答が過去最低の12.5%となるなど、景気回復の見通しが立たないなかで、チャレンジ指向が低下する結果となっています。

企業年金の積立不足全額をB/Sに一括計上する新基準 

 財務会計基準機構の内部組織で日本の会計基準設定主体である企業会計基準委員会(ASBJ)は、2014年3月期の連結決算から、上場企業の企業年金の積立不足全額を貸借対照表に一括計上する新会計基準を導入する方針を明らかにしました。

 米国の会計基準や国際会計基準(2013年1月改訂予定)に合わせて、決算書の透明性を高めるのがねらいのようです。

家計の資産運用で市場を活性化 ~確定拠出年金を拡充へ 政府検討~

 政府が、加入者の運用次第で給付額が変わる「確定拠出年金(日本版401k)」を拡充する方向で検討に入ったことがわかりました。拠出可能上限額の引上げ、公務員や専業主婦を対象に加えることなどを検討します。

 約1,400兆円に上る家計の資産を運用させて、市場の活性化を図ることがねらいのようです。

海外生産比率、海外設備投資比率が上昇  ~10年度実績・経産省調査~

 経済産業省は、「海外事業活動基本調査結果」(2010年度実績・確報)を公表しました。海外生産比率は18.1%、海外設備投資比率は17.1%とそれぞれ前年度と比べ上昇しました。

 投資の決定ポイントを見ると「今後の需要拡大等が見込まれる」との回答が最多となっています。

パワハラ認定で慰謝料/岡山のトマト銀行

 トマト銀行(岡山市)の50代の元行員がパワハラにより退職を余儀なくされたとして、同行と上司に計約4,900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、岡山地裁は精神的苦痛を認め慰謝料など110万円の支払いを命じました。

 井上直樹裁判官は判決理由で「上司の叱責は、脊髄の病気などの療養から復帰直後の原告にとって精神的に厳しく、パワハラに該当する」と認定。しかし退職との因果関係は認めず、働き続けていれば得られた利益の請求分は認めませんでした。

 判決によると、2007年3月ごろ、当時の上司が、ミスをした原告を「辞めてしまえ」などと強い言動で責めるなどしました。原告は09年に辞表を提出し、退職しました。

2.社会保険ワンポイント・ゼミナール

 当社の給与は毎月20日締め、末日支払いで計算していますが、4月1日付けで入社した月給制の社員には、4月分は出勤した17日分を日割りで支給しました。 標準報酬月額は毎年4月から6月までの3ヶ月間に支払われた給与の平均をもとに算定されるということですが、この社員の場合、4月分の支払基礎日数が17日以上あるので、4月分も含めて算定するのでしょうか?

標準報酬月額の定時決定

 健康保険および厚生年金保険の被保険者の標準報酬月額を決定する方法の一つに「定時決定」があります。これは、原則として7月1日現在で被保険者の資格を有する人について、4月、5月、6月に受けた報酬(給与)の届出を行うことで、その年の9月から翌年8月までの標準報酬月額を決めるものです。

 具体的には、4月、5月、6月の3ヶ月に受けた報酬の平均月額を算出するのですが、その3ヶ月のうち報酬を計算する基礎となった日数(支払基礎日数)が17日未満の月がある場合は、その月を除外して計算することになっています。

4月・5月の途中入社の場合

 入社の際には「資格取得時決定」といって、入社後に受ける1ヶ月分の給与見込み額により標準報酬月額を決定しますが、たとえば4月入社の場合、給与計算期間の関係で、4月分の給与の支払基礎日数が17日以上あったとしても、実際には4月に受ける給与は1ヶ月分に満たないことがあります。

 この場合、4月分も標準報酬月額の定時決定の算定対象月に含めてしまうと、資格取得の際に決定した標準報酬月額とかけ離れてしまうことになってしまいます。

 そのため、標準報酬月額の定時決定の算定対象月である4月と5月に入社し、被保険者資格を取得した人の場合、入社した月に1ヶ月分の給与が支給されないときは、入社の翌月から算定対象とすることになっています。具体的には、4月入社の場合は5月と6月の2ヶ月、5月入社の場合は6月の1ヶ月のみが算定対象となります。

 なお、6月1日以降に被保険者資格を取得した人は、その年の定時決定の対象にはならないので、資格取得の際に決定した標準報酬月額が翌年の8月まで適用されます。

ワンポイントチェック

 月給制の人の場合、算定対象となる月の報酬の支払基礎日数は、基本的には暦日数になります。ただし、欠勤などがあって、その日数分だけ月給が減額されている場合は、就業規則や給与規定などに基づいて減額計算の基礎となる日数から欠勤などの日数を差し引いた残りの日数となります。 その結果、差し引いた後の日数が17日未満であれば、その月は算定の対象から除くことになっています。

3.参考資料 (高度外国人材に対するポイント制)

 日本で就労する外国人を対象とした「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度」(「高度人材」とは、高度な資質・能力を有すると認められる外国人をいい、概要は2012年3月Vol.38に掲載)が2012年5月7日からスタートしました。本号では、以下のように具体的な優遇措置の内容を掲載します。

4.労務管理 (トラブル回避の対応術)

無断欠勤は即日解雇できるか

  当社の就業規則の懲戒解雇事由に「無断欠勤があった場合」とありますが、実際に無断欠勤があった場合、それが1日であっても就業規則に基づいて解雇することは認められるのでしょうか?
  

無断欠勤と懲戒解雇

 正当な理由もなく届け出ずに欠勤することは、企業活動においては労働者の非違行為といえるものですので、就業規則などに定めがあれば、無断欠勤は懲戒の対象になります。

 しかし、懲戒の程度が解雇となると、その行為が解雇に相当するかどうかが問題にされることがあります。

 労働契約法第16条においては、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定められています。

 したがって、就業規則の規定に基づいて解雇したとしても、まったく問題がないわけではありません。

無断欠勤の程度と対応

 そうなると、実際に無断欠勤で解雇できるのか、できるとすれば何日以上なのか、という疑問が残ります。

 それについて、労働基準法(第20条)では、「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」に労働基準監督署長の認定を受けることで、解雇予告を除外できると定められており、以下の解雇予告の除外認定の事由に該当することが単純に解雇の合理性に繋がるとはいえませんが、認定の事由を参考にすれば、無断欠勤による懲戒解雇は「2週間以上」が一応の目安となっていて、この間に出勤の督促を行うことも条件といえるでしょう。

  1. 原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等の刑法犯に該当する行為のあった場合
  2. 賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合
  3. 雇入れの際の採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合
  4. 他の事業場へ転職した場合
  5. 原則として2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
  6. 遅刻や欠勤が多く、数回にわたって注意を受けても改めない場合

 なお、認定にあたっては、労働者の地位、職責、勤務年数、勤務状況などを考慮した上で、総合的に判断すべきとされています。

就業規則の運用

 今回の質問のケースでは、就業規則には懲戒解雇事由となる無断欠勤の日数が明記されていませんが、実際に無断欠勤があった場合、無用なトラブルを避けるためにも、欠勤期間の長さだけではなく、どのような事情で届出がなかったのか、届け出ることができない正当な理由が存在するのか、会社に実害があったのかどうか、などの事情も考慮した上で、慎重に規定を運用することが必要となるでしょう。

5.助成金(育児休業関連)

~中小企業両立支援助成金(代替要員確保コース)~

 中小企業両立支援助成金には、「代替要員確保コース」と「休業中能力アップコース」と「継続就業支援コース」があります。

 「代替要員確保コース」は、就業規則等に育児休業取得者を「原職(育児休業前の職務)または原職相当職」に復帰させる旨を規定した後、育児休業取得者の代替要員を確保し、かつ育児休業取得者を原職等に復帰させた中小企業に助成金が支給されます。

代替要員確保コースの特徴

  1. 就業規則等に原職復帰の取扱い規定があること
  2. 育児休業取得者の代替要員を確保したこと
  3. 育児休業前の職務と育児休業復帰後の職務が同等程度であること
  4. 代替要員が育児休業取得者と同一の部署・職務で勤務していること
  5. 育児休業復帰後に6か月勤務すること

対象となる主な育児休業取得者および代替要員

【育児休業取得者】

  1. 育児休業取得者が、休業後も休業前と同一の事業所に勤務していること(ただし、本人の希望により、同一事業所に勤務しないことに客観的合理性が認められる場合を除く。)
  2. 育児休業取得者の職務上の地位および賃金などが、休業後も休業前より下回っていないこと

【代替要員】

  1. 育児休業取得者の職務を代替する者であること
  2. 育児休業取得者と同一の部署、勤務時間であること
  3. 育児休業期間中に3か月以上勤務していること

受給できる助成金の額

対象育児休業取得者一人当たり15万円(10人まで)

6.参考資料(社会保障協定)日本とブラジルおよびスイスとの社会保障協定について

 社会保障協定の主な内容は、外国の年金制度との「二重加入の防止」と「年金加入期間の通算」に関するものです。

 平成24年3月に発行された日本とブラジルおよびスイスとの社会保障協定について、それぞれ特徴的な部分をご説明します。



8.ACROSEEDからのお知らせ(労災保険上乗せ補償制度のご紹介)

 社員が業務上負傷、疾病、傷害、死亡した場合の業務災害は、政府から労災保険により補償されます。しかし、政府労災の補償がされた場合でも、被災した社員や遺族から、損害賠償請求を求められることがあります。

 そうした損害賠償にも対応するため、民間保険による労災保険上乗せ補償制度(法定外補償や傷害保険、労災総合保険)があります。

労災保険と損害賠償請求

 業務災害が発生した場合、まず会社は、労働基準法上の災害補償責任を負います。そして、政府労災により補償に関する給付がされるべき場合は、労働基準法上の災害補償責任を免れることができます。

 しかし、安全配慮義務違反や不法行為などの民事上の損害については、会社は賠償責任を免れることはできません。それは、労働基準法第84条2項に「その価額の限度において民法による損害賠償の責を免れる。」と規定されており、業務災害は使用者には民事上の損害賠償責任があることを前提としています。

労災保険上乗せ補償制度は自動車保険の任意保険

 自動車保険の例でいいますと、政府労災が強制加入の自賠責保険で、任意保険が労災保険上乗せ補償制度(法定外補償や傷害保険、労災総合保険)の部分になります。強制加入となる政府労災では、治療費や休業補償の80%の支給があっても、20%の休業補償や慰謝料、見舞金は支給されません。

 また、基本的に業務執行権があると認められる取締役は労働者と認められないとして、政府労災の保険適用はできません。特別加入制度はありますが、それでも政府労災であるため補償は充分なものとはいえません。



ご質問/ご相談

 労災保険上乗せ補償制度へのご質問や加入に関するご相談がおありの方は、ACROSEEDグループまでお気軽にご連絡ください。









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