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メールマガジン2012年10月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2012年10月 Vol.45

1.人事・総務ニュース

9月のできごと

通勤手当の社会保険料算定からの除外を議論   ~厚生労働省が検討会を設置~

 厚生労働省は、社会保険料の算定対象に含まれている通勤手当について、対象から除外するかどうかを議論する検討会を設置しました。

 ただ、保険料収入の減少を補うための料率引上げにつながりかねず、同省では財政に与える影響を調査したうえで年内にも結論を出す考えです。

次世代法に基づく子育てサポート企業、1,301社に ~認定マークを商品などに表示してPR~

 厚生労働省は、次代の社会を担うすべての子どもが健やかに生まれ、育成される環境の整備を図るために制定された「次世代育成支援対策推進法」に基づく子育てサポート認定企業が今年7月末時点で1,301社に達したと公表しました。

 従業員の仕事と子育ての両立を図るための行動計画を策定した企業から、一定の基準を満たした企業を認定したもので、認定企業は認定マークを商品などに表示してPRすることができ、企業イメージの向上、従業員のモラールアップやそれに伴う生産性の向上、優秀な従業員の採用・定着が期待できます。

高齢者の人口推計を発表 ~65歳以上の人口が初の3,000万人超え~

  総務省が、敬老の日に合わせて高齢者の人口推計を発表し、65歳以上の人口が3,074万人(前年比102万人増)となりはじめて3,000万人を超え、総人口に占める割合が24.1%に達したことがわかりました。

  1947年以降に生まれた「団塊の世代」が65歳に到達し始めたためで、今後も増え続ける見通しです。

「勤労者 心の電話相談」相談件数が過去最多 
~雇用環境の悪化と震災の影響による失業が要因か~

 独立行政法人労働者健康福祉機構は、2011年度における「勤労者心の相談室」への相談件数が2万9,209件(前年度比1,391件増)で過去最多を更新したと発表しました。同機構では、雇用環境の悪化と震災の影響による失業で、将来に不安を覚える人が増加したことが要因とみています。

フリーターへの就職支援拠点  ~「わかものハローワーク」を3ヶ所設置~

 厚生労働省は10月1日、正規雇用を目指すフリーターへの就職支援を専門的に行う拠点「わかものハローワーク」を東京・愛知・大阪の3ヶ所に設置します。求職者の希望職種やスキルなどを基に、個人の状況に応じた「正規雇用就職プラン」を作成するなどの支援を行います。

サプライヤー中小企業のあり方検討 ~事業展開のあり方に関する検討会の報告書を公表~

 中小企業庁は、「サプライヤー中小企業(発注を受けて部品等の生産・加工を行う製造業の中小企業)の事業展開のあり方に関する検討会」の報告書を公表しました。

 部品を大手企業に供給する中小企業について、円高による大手の海外移転などで厳しい状況に置かれているとして、他のサプライヤーなどとの連携、現場の競争力の強化など今後の事業展開の方向性を提案しています。

「円高続けば賃金・雇用調整を検討」製造業の20% ~非製造業でも9.2%~

 厚生労働省が2012年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を閣議報告し、今後も円高が続いた場合、製造業の企業の約20%が、従業員の賞与や残業時間の削減を検討すると答えたことがわかりました。

 また、非製造業でも9.2%の企業が同様の削減を実施すると回答しています。

長野地裁「代議員の議決・承認は不要」~厚生年金基金からの脱退を認める~

 厚生年金基金の加入事業所(長野市)が基金からの脱退を求めた訴訟で、長野地裁は8月24日、「やむを得ない事由がある場合、脱退には代議員会の議決や承認は不要」とし、脱退を認めました。

 判決で裁判長は、公的性格を有する厚年基金の「脱退は代議員会の議決を必要とする」という規約の合理性を認めた上で、同基金が23億円超の使途不明金を出していることを重くみて、「原告の企業が基金に対して信を置くことができないと判断したのも無理はなく、やむを得ない事由かあるというべきだ」と判断しました。

長期欠勤後の雇止め、不当労働行為に当たらず

 うつ状態で3ヶ月の休養を要するパートタイマーの組合員に対して、長期欠勤後の復職を見込めないと判断して会社が雇止めした事件で、中央労働委員会は3日、組合員は休養後の就労について直接会社に意思表示せず、さらに約4ヶ月長期欠勤しているために、次年度は安定的に労務を受領できないと会社が判断したもので、不当労働行為に当たらないと判断しました。

 本件は、会社が、組合の組合員を21年3月31日限りで雇止めしたことおよび団体交渉で本件雇止めについて十分な説明をしなかったこと等が、不当労働行為であるとして、救済が申し立てられた事件です。

 初審大阪府労委は、不当労働行為であると申し立てられた上記の事実について、いずれも不当労働行為には当たらないと判断し、組合の救済申立てを棄却したところ、組合はこれを不服として、再審査を申し立てていました。

2.社会保険ワンポイント・ゼミナール

 保険料を10年前まで納めることができる?(国民年金 後納制度)

 このたび嘱託社員として採用した50代の従業員が、採用前の13年間ほどは自営業をしており、国民年金保険料をずっと払い忘れているそうです。
 もうすぐ年金を受ける年齢になるので、できれば、過去の保険料を少しずつでも払っていきたいと話していますが、保険料はどのくらい前まで遡って払うことができるのでしょうか?
 また、保険料を払うと年金額はどのくらい増えるのでしょうか?

第1号被保険者の保険料

 日本に住所のある20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入することになっていますが、国民年金の被保険者は第1号から第3号までに区分けされていて、自営業や学生など第1号被保険者に該当する人は、毎月定額の保険料が賦課されます。(平成24年度は月額1万4,980円)

保険料の後納制度

 国民年金の保険料を納め忘れると、将来受け取る年金が少なくなったり、年金そのものを受け取れなくなったりする場合があります。

 さらには、病気やけがで障害が残ったときに受け取る障害年金や、亡くなったときに家族が受け取る遺族年金が支給されなくなることもあります。

 こうしたことにならないためには、忘れずに保険料を納めなければならないのですが、国民年金には納め忘れた保険料を遡って納めることができる制度があります。(後納制度)

 国民年金保険料は、通常は2年前まで遡って納めることができますが、平成24年10月から27年9月までの3年間に限り、10年前まで納められるようになりました。(申込みの受付は8月1日から始まっています)

 この場合、納付が可能な期間のうち、最も古い分から順に納めることになっていて、過去3年度以前の期間については、当時の保険料に一定の額が加算されます。

老齢基礎年金の増額は

 1ヶ月分の保険料を納めることにより増額される老齢基礎年金の目安は、年額で約1,638円(平成24年度満額から換算)となっています。

ワンポイントチェック

 後納制度を利用して保険料を納めるには、まず、指定の申込書を年金事務所に提出する必要があります。 申込みの後、年金事務所において確認・審査などが行われ、本人宛に納付書などが送付されます。(申込書は、日本年金機構のホームページからもダウンロードすることができます)

3.参考資料 (改正労働契約法のポイント)

 有期労働契約の新しいルール

 「労働契約法の一部を改正する法律」が平成24年8月10日に公布されました。今回の改正では、有期労働契約について、①無期労働契約への転換、②「雇止め法理」の法定化、③不合理な労働条件の禁止の3つのルールが規定されています。
 施行日は、②は平成24年8月10日(公布日)、①と③は公布日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日となっています。
 なお、有期労働契約とは、1年契約、6ヶ月契約など期間の定めのある労働契約のことをいいます。パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託など職場での呼称にかかわらず、有期労働契約で働く人であれば、新しいルールの対象となります。

1.無期労働契約への転換

 同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換します。

 ※5年のカウントは、このルールの施行日以後に開始する有期労働契約が対象です。施行日前にすでに開始している有期労働契約は5年のカウントに含めません。

<無期転換の申込みができる場合>

  1. 申込み…現在の有期労働契約期間中に、通算契約期間が5年を超える場合、その契約期間の初日から末日までの間に、無期転換の申込みをすることができます。
  2. 転換…①の申込みをすると、使用者が申込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約が成立します。無期に転換されるのは、申込み時の有期労働契約が終了する翌日からです。
  3. 無期労働契約…無期労働契約の労働条件(職務、勤務地、賃金、労働時間など)は、別段の定めがない限り、直前の有期労働契約と同一となります。別段の定めをすることにより、変更可能です。
  4. 更新…無期転換を申し込まないことを契約更新の条件とするなど、あらかじめ労働者に無期転換申込権を放棄させることはできません(法の趣旨から、そのような意思表示は無効と解されます。)
  5. 空白期間…有期労働契約と有期労働契約の間に、空白期間(同一使用者の下で働いていない期間)が6ヶ月以上あるときは、その空白期間より前の有期労働契約は5年のカウントに含めません。これをクーリングといいます。

<無期転換の申込みができる場合>

2.「雇止め法理」の法定化

 有期労働契約は、使用者が更新を拒否したときは、契約期間の満了により雇用が終了します。これを「雇止め」といいます。雇止めについては、労働者保護の観点から、過去の最高裁判例により一定の場合にこれを無効とする判例上のルール(雇止め法理)が確立しています。今回の法改正では、雇止め法理の内容や適用範囲を変更することなく、労働契約法に条文化されました。

3.不合理な労働条件の禁止

 同一の使用者と労働契約を締結している有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止するルールです。

4.労務管理 (トラブル回避の対応術)

私生活上の行為で懲戒ができるか?

  最近の報道によると、会社員や公務員に私生活上の不祥事があると、当事者が解雇や免職となるケースがよくあるようです。
 当社の就業規則でこれに関連する部分を確認したところ、懲戒の事由に「会社の信用、名誉を著しく傷つけたとき」という定めがありますが、この定めだけで実際に解雇などの懲戒処分ができるのでしょうか?
  

私生活上の非違行為に対する原則的な扱い

 労働者が就業時間以外で、かつ会社の施設以外で行ったことは、あくまでも私生活上の行為であって、それが社会のルールや法律に反した行為であっても、社会のルールや法律に基づいて民事上や刑事上の責任を負うことになるので、原則的には、会社が当人を懲戒処分の対象とすることはできないとされています。

例外的な扱いは

 しかし、労働者の私生活上の行為が企業活動の円滑な運営に支障を及ぼすものである場合や、会社の名誉、信用その他の社会的な評価に重大な悪影響を与えるような場合には、その行為に対して会社の規制を及ぼすことは可能とする判例もあるなど、場合によっては懲戒処分が認められることもあります。

 会社の懲戒事由の定めに基づく処分に対する提訴をめぐる判例では、労働者の行為が、「会社の体面を著しく汚しか」というためには、必ずしも具体的な業務阻害の結果や取引上の不利益の発生を必要とするものではないが、行為の性質、情状のほか、会社の事業の種類・様態・規模、会社の経済界に占める地位、経営方針およびその労働者の会社における地位・職種など諸般の事情から総合的に判断して、労働者の行為により会社の社会的評価に及ぼす影響が相当重大であると客観的に評価される揚合でなければならないとされています。

 懲戒解雇が認められたものでは、鉄道会社の従業員が電車内で痴漢行為を繰り返し、職務上の立場において倫理規範に反する行為であるとされたケースがあります。

 一方、懲戒解雇が無効とされたものとしては、工場作業員が酩酊して深夜に他人の住居に侵入して逮捕されたものの、僅かな罰金だけで済んだことや、社内において職務上指導的な地位にはなかったことなど諸事情を勘案して、会社の体面を著しく汚したと評価するには当たらないとされたケースがあります。

懲戒事由と運用

 懲戒の事由に「会社の信用、名誉を著しく傷つけたとき」と定めることはよくみられますが、労働者の私生活上の非違行為をこれに当てはめ、実際に懲戒解雇することが認められるかどうかは、こうした判例などに基づいて、行為そのものだけではなく、会社の社会的な評価への影響や会社の諸事情などが総合的に勘案されることになります。

 したがって、私生活上の非違行為があった場合に処分を行うときは、慎重な姿勢で臨むことが必要となります。

5.助成金(中小企業定年引上げ等奨励金)

<平成24年4月1日以降に制度導入>

 65歳まで希望者全員が安心して働ける企業や70歳まで働ける企業の普及を図るため、就業規則等により、65歳以上への定年の引上げ、定年の定めの廃止又は70歳以上までの継続雇用制度の導入を行う中小企業事業主の方に対し、導入した制度に応じて最高で120万円を支給されます。

助成金の要件

  1. 制度導入日より1年前の日から高年齢雇用安定法の改正等に対応していること(※1)
  2. 1年以上継続して雇用されている60歳以上の常用従業員が、1人以上いること
  3. 就業規則変更により現在の定年年齢の引き上げ等を行うこと(※2)

※1 継続雇用制度(希望者を定年後も引き続いて雇用する制度)にて対象労働者の基準を定める場 合は労使協定にて定めていること。

※2 制度を導入した日の翌日から起算して、1年以内に申請

受給額について

⇒上記図表内の※1~※4の説明は、紙面の都合上、省略しております。

⇒上記図表の支給額の( )は、支給申請の前日において当該事業主に1年以上継続して雇用されている64歳以上の雇用保険被保険者がいない場合に支給される金額となります。

6.参考資料(改正高年齢者雇用安定法 のポイント)

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案」の概要

 少子高齢化が急速に進展し、若者、女性、高齢者、障害者など働くことができる人全ての就労促進を図り、社会を支える全員参加型社会の実現が求められている中、高齢者の就労促進の一環として、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が定める基準に関する規定を削除し、高年齢者の雇用確保措置を充実させる等の所要の改正を行うとされた改正案です。

1.継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止

 継続雇用制度の対象となる高年齢者につき、事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みが廃止されます。

 65歳未満の定年を定めている事業主が、高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度を導入する場合、現行の法律では、継続雇用の対象者を限定する基準を労使協定で定めることができます。

 今回の改正でこの仕組みが廃止され、平成25年4月1日からは、希望者全員を継続雇用制度の対象とすることが必要になります。なお、厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢に到達した以降の者を対象に、基準を引き続き利用できる12年間の経過措置があります。

2.継続雇用制度の対象者が雇用される企業の範囲の拡大

 継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲を、グループ企業まで拡大する仕組みが設けられます。

 定年を迎えた高年齢者の継続雇用先を、自社だけでなく、グループ内の他の会社(子会社や関連会社など)まで広げることができるようになります。子会社とは、議決権の過半数を有しているなど支配力を及ぼしている企業であり、関連会社とは、議決権を20%以上有しているなど影響力を及ぼしている企業です。この場合、継続雇用についての事業主間の契約が必要になります。

3.義務違反の企業に対する公表規定の導入

 高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業名を、公表する規定が設けられます。 高年齢者雇用確保措置(※)を実施していない企業には、労働局、ハローワークが指導・勧告を行い、なお違反が是正されない場合は企業名を公表することがあります。

※高年齢者雇用確保措置とは 定年を65歳未満に定めている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次のいずれかの措置を取ることが義務付けられています。

  1. 定年の引上げ
  2. 継続雇用制度の導入
  3. 定年の定めの廃止

4.「高年齢者等職業安定対策基本方針」の見直し等

 今後、事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施および運用に関する指針を、労働政策審議会での議論などを経て策定します。この指針には、業務の遂行に堪えない人を継続雇用制度でどのように取り扱うかなどを含みます。

 ■ 施行期日:平成25年4月1日 ■

7.入社説明会 社会保険の概要 (第4回)

病気やケガをしたときの医療

  会社に勤務する従業員が病気やケガをしたときなどは、その原因が私傷病か業務上かによって受けられる医療や各種手当の給付内容が異なります。
 病気やケガの原因が私傷病の場合は健康保険から、原因が業務上の場合は労災保険から必要な医療を受けることができます。

健康保険と労災保険の医療と給付

 私傷病の場合、保険医療機関の窓口に被保険者証を提示すれば、3割の自己負担額で健康保険から必要な医療を受けることができます。また、出産や死亡時には各手当金の給付を受けることができます。

 業務上のケガなどの場合は、労災指定病院において労災保険から必要な医療が受けられ、障害が残ったり死亡したときには各手当金や年金の給付を受けることができます。

健康保険の医療と給付

労災保険の医療と給付









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