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メールマガジン2014年01月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2014年01月 Vol.60

1.人事・総務ニュース

12月のできごと

トライアル雇用奨励金  ~出産・育児により離職した人も対象に~

 厚生労働省は12月27日、就職が困難な求職者をハローワークなどの紹介により原則3ヵ月間試行的に雇用する事業主に対して支給する「トライアル雇用奨励金」の対象者を、平成26年3月1日から拡大する省令を告示しました。

 現行制度の対象者に加えて、①妊娠、出産または育児を理由として離職した人で、1年を超えて安定した職業に就いていない人、②高校や大学等を卒業後、安定した職業に就いていない期間が3年以内の人、が追加されます。

 支給額は、現行制度と同様に対象者1人につき月額4万円です。


厚労省「過重労働重点監督」 ~実施事業場の約8割が法令違反~

 厚生労働省はこのほど、昨年9月に実施した「過重労働重点監督」の結果をまとめました。

 それによると、監督を行った5,111事業場のうち82%に相当する4,189事業場で何らかの労働基準関係法令違反が認められ、是正勧告書が交付されました。

 それらの事業場について、違反状況別にみると、時間外労働協定を締結していないなど、違法な時間外労働があったものが2,241事業場、賃金不払残業があったものが1,221事業場、過重労働による健康障害防止措置が実施されていなかったものが71事業場となっています。

 今回の重点監督は、昨年9月1日に実施した無料電話相談も含め、数多く寄せられた情報の中から、過重労働の問題があることについて、より深刻・詳細な情報のあった事業場を対象としているものです。


日本経団連調査 ~2012年の法定福利費 1.5%増加~

 日本経済団体連合会が会員企業などを対象としてまとめた「2012年度福利厚生費調査結果」によると、企業が負担した福利厚生費は、従業員1人1ヵ月平均104,243円で、前年度に比べて0.9%増加したことが分かりました。

 このうち、「法定福利費」は78,948円と同1.5%の増加で、現金給与総額がわずかに増えたことと、厚生年金保険料率などの上昇が増加の主な要因とみられています。

 また、「法定外福利費」は25,296円で同1.0%の減少となり、ここ数年抑制傾向が続いています。


労働者派遣事業報告書の集計結果 ~製造業務の派遣労働者が2.0%増加~

 このほど厚生労働省がまとめた「労働者派遣事業報告書」の集計結果によると、平成23年度の派遣労働者数は前年度より3.6%減少して約262万人。派遣労働者数が減少するのは3年連続で、日雇い派遣の原則禁止など派遣業をめぐる規制強化が影響しているものとみられています。

 一方、平成24年6月1日現在の派遣状況報告においては、製造業務に従事した派遣労働者数は約27万人で、前年同期よりも2.0%増加。このうち、常時雇用される労働者は約17万人(同5.2%増)、常時雇用以外の労働者は約10万人(同3.2%減)で、景気の回復傾向に伴い、製造業務に派遣される常用雇用者の割合が上昇しているのが目立っています。



2.社会保険ワンポイント・ゼミナール

 自宅で行う副業を禁止することはできるのか?
 このほど、当社の社員が自宅でインターネットを使った商売をしているようだ、という情報が入りました。当社の就業規則には、他の企業に雇用されることを禁止する規定があり、違反すれば罰則規定もありますが、副業を禁止することについては定めていません。
 社員に副業を禁止することができるのでしょうか?  

「兼業禁止」の扱いは

 就業規則で、会社の許可なく他の企業に雇用されることなどを禁止する「兼業」や「二重就労」に関する定めを設けることは一般的なこととなっています。

 一方で、会社の就業時間以外の自由な時間を使って兼業をすることは、「職業選択の自由」を背景に、会社からの制限や拘束を受けないのではないか、という見方もあります。

 判例や学説などにおいては、就業規則の兼業禁止規定の効力について、兼業をすることが企業の職場秩序に影響し、本来の労務の提供に支障が生じる程度を想定しているものであれば、これを禁止する規定自体は合理性があるとされています。

 たとえば、終業時刻後や休日のアルバイトで疲労が蓄積して通常の勤務日に作業能率が低下するようなことがあれば、こうしたアルバイトを禁止したとしても、労働者が兼業を自由にできる利益を侵害することにはならないものと考えられます。


個人で行う「副業」を禁止することは

 昨今、会社に雇用されながらも、趣味などを生かしインターネットなどを駆使して収入を得ることが容易になり、これが就業規則で禁止する「兼業」にあたるかどうかという問題があります。

 これについても、アルバイトなどの場合と同様の考え方ができます。たとえ自宅で行うことであっても十分な休息がとれなかったり、勤務時間中に副業のことに頭を使うなど、本来の労務提供に支障が生じたり、勤務態度に影響が出たりすることも考えられます。また、副業の内容によっては会社が所有する情報を利用できることも可能性としてゼロではなく、結果的に情報が流出して会社に対して経営的な損失をもたらすことにつながるおそれもあります。したがって、個人的に自宅で行う副業であっても、これを「兼業」の形態の一つとみることも合理性があるといえるでしょう。


就業規則のへの新設は

 このようなことから、質問のケ-スのように、従来の就業規則で定めがなかった副業の禁止を、兼業の禁止と同様に、違反すれば懲戒の対象とした上で新しく定めることについては、労働者の健康保持や職場秩序の維持、社内情報の流出防止などの観点から、一般的には必要性があると考えるのが妥当です。ただし、基本的には労働条件の変更についての労働契約法の規定に照らして判断する必要があるでしょう。

 しかし、原則は禁止としても、こうした影響がないと考えられる副業に関しては、たとえば許可制にするなど、内容を精査したうえで限定的に認める余地があるかどうかも検討するに値するでしょう。



3.参考資料 (平成24年国民健康保険・栄養調査)

 「糖尿病」、平成9年移行初の減少
 このほど厚生労働省が発表した「平成24年国民健康・栄養調査」によると、糖尿病の疑いがある人とその可能性を否定できない「予備軍」の人の合計が,5年前の前回調査より約160万人少ない約2,050万人となり,平成9年の糖尿病に関する調査開始以来,初めて減少に転じたことが分かりました。
 同省では、平成20年度に始まった「特定健康診査(いわゆるメタボ健診)」により、国民の健康意識が高まったことが背景にある、とみているようです。

糖尿病に関する状況

「糖尿病が強く疑われる人」は約950万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は約1,100万人と推計され、両者を合わせると約2,050万人で、平成9年以降、初めて減少に転じました。

 「糖尿病が強く疑われる人」の割合は、男性15.2%、女性8.7%で、平成19年に比べて男性は変わらず、女性は増加。「糖尿病の可能性を否定できない人」の割合は、男性12.1%、女性13.1%で、男性は変わらず、女性は減少しています。

 また、「糖尿病が強く疑われる人」のうち、現在治療を受けている人の割合は、男性65.9%、女性64.3%で、平成19年に比べて男性は9.0ポイント、女性は10.2ポイントそれぞれ増加しています。


肥満およびやせ形の状況

 肥満の人(BMI 25以上)の割合は、男性29.1%、女性19.4%で、前年に比べて男性は変わらず、女性は減少。年齢階級別にみると、男性の20歳代が15.2%で6.0ポイント、女性の40歳代が16.2%で4.8ポイントそれぞれ減少しているのが目立ちます。

 一方、やせ形の人(BMI18.5未満)の割合は、男性4.2%、女性11.4%で、前年に比べて男女とも変わりません。



血圧の状況

 収縮期(最高)血圧の平均値は、男性134.6mmHg、女性127.3mmHgで、140mmHg以上の人の割合は、男性35.7%、女性25.5%です。年次推移でみると、この10年間、男性は平均値および140mmHg以上の人の割合ともに大きな変化はみられず、女性はいずれも減少傾向となっています。

 血清総コレステロールの平均値は、男性195.3mg/dL、女性204.1mg/dLで、240mg/dL以上の人の割合は、男性9.8%、女性14.7%です。年次推移でみると、この10年間、男性は平均値および240mg/dL以上の人の割合ともに大きな変化はみられず、女性はいずれも減少傾向となっています。

 運動習慣のある人の割合は、男性36.1%、女性28.2%(右図参照)で、前年に比べて男女とも変わりません。年齢階級別にみると、男性の30~40歳代では2割程度にとどまり、女性の20~40歳代では2割を下回っています。

 また、1日の歩数の平均値は、男性7,139歩、女性6,257歩で、前年に比べて男性は変わらず、女性は減少しています。



喫煙および飲酒の状況

 現在習慣的に喫煙している人の割合は、男性34.1%、女性9.0%で、前年に比べて男女とも変わりません。飲酒習慣のある人の割合は、男性34.0%、女性7.3%で、前年に比べて男女とも変わりません。

 また、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合は、男性14.7%、女性7.6%です。


野菜摂取量の状況

 成人の野菜摂取量の平均値は1日に286.5gで、年齢階級別にみると、どの年代でも厚労省が推奨する350 g には達していません。


歯科検診受診の状況

 過去1年間に歯科検診を受けた人の割合は47.8%で、平成21年に比べて13.7ポイント増加しています。

4.労務管理(トラブル回避の対応術)

災害の発生と意識レベル
 災害は、集中力を欠いた時に起こると言われています。この集中力を欠き、注意力や判断力がなくなるという人間の意識レベルは、以下の5フェーズ(段階)に分類されます。  

フェーズ0→脳波パターンはδ(デルタ)波、生理状態は睡眠、注意力・判断力はゼロ

フェーズⅠ→脳波パターンはθ(シータ)皮、生理状態は疲労・眠気、注意力・判断力は強い不注意状態が続き、度忘れ、ポカミスが多い

フェーズⅡ→脳波パターンはα(アルファ)波、生理状態は休息・定常作業時、注意力・判断力は予測活動が活発に活動しないで、創造的な意志力もあまり期待できない

フェーズⅢ→脳波パターンはβ(ベータ)波、生理状態は積極活動時、注意力・判断力はうっかリミスをすることはほとんどない

フェーズIV→脳波パターンはβ波またはてんかん波、生理状態は感情興奮時・パニック状態、注意力・判断力は一点に意識が集中し、ほかのことが目に入らず、正しい判断ができない


意識レベルと安全作業

 それでは、この各フェーズが仕事を行う時にどうなっているかを見ることにします。

 日常的で慣れた仕事は、ほとんどフェーズⅡで処理されています。ですので、いつもの作業を行う場合は、意識レベルがフェーズⅡであっても、危険がないように作業環境や機械設備を安全にしていくことが必要です。

 非日常的でいつも行う仕事でない場合、例えば、修理や点検作業時ですが、このような場合に災害を発生させないためには、フェーズⅢに切り替える必要があります。

 具体的な手法として、大きな声で指さし呼称を行ったり、作業指揮者を配置して必要な指示をさせるというものがあります。


ミス防止と指さし呼称

 そこで、集中力を高めて、ミス防止のために有効とされている指さし呼称について見ていきたいと思います。指さし呼称は、大脳生理学的な観点からも災害防止に有効とされています。まず、大きな声を出し指をさすことで、大脳が活性化します。これは、大脳の運動領域・筋知覚領域・言語領域・視知覚領域が一斉に活動するためです。また、視知覚だけでなく、指さしによる運動知覚、呼称による筋肉知覚や聴覚などの諸感覚の参加によって、意識に強く印象付けられ、対象認知の正確度が高まるためと言われています。

 なお、ここで注意すべきことは、マンネリ化です。いつでもやっているとマンネリ化することも考えられます。そういう時には、重要な場合に限定するということでもよいでしょう。指さし呼称は簡単にできる集中力アップの手法ですので、各職場で有効に使っていただければと思います。



5.参考資料 (産休終了時の標準報酬月額の改定 ~4月1日スタート~)

現在の標準報酬月額の決定・改定のしくみ

  健康保険・厚生年金保険の保険料や傷病手当金などの給付の計算基礎となる標準報酬月額は、通常毎年4月から6月の3ヵ月間に支払われた報酬により決定され、その年の9月以降に適用されることになっています。(定時決定)
 また、固定的賃金の変動があり、一定の要件に該当した場合は、変動があった月から3ヵ月間に支払われた報酬により、従来の標準報酬月額と比べて原則として2等級以上の差が出た場合に、4ヵ月目以降の月額から改定されることになっています。(随時改定)
 このほかに、育児休業を取得した人が、一定の要件に該当した場合に、育児休業終了日の翌日が属する月以後3ヵ月間に支払われた報酬により、4ヵ月目以降の月額から改定される制度があります。これにより、育児休業から復職して勤務時間短縮などの適用を受けたことで報酬額が低下した場合に、申出によって、定時決定の時期を待たず、また随時改定の要件に該当しなくても、標準報酬月額が改定され、保険料を引き下げることができます。(育児休業等終了時の標準報酬月額の改定)
  

産前産後休業終了時の標準報酬月額改定

 現行の育児休業等終了時の標準報酬月額改定のしくみでは、産前産後休業から育児休業を取得せずに復職した場合には、この制度が適用されていません。

 しかし、法律改正により、今年4月1日からは、「産前産後休業終了時の標準報酬月額改定」のしくみが新しく始まり、産前産後休業終了時に復職して勤務時間短縮などの適用を受けたことで報酬額が低下した場合に、標準報酬月額が改定されるようになります。

 具体的には、産前産後休業終了目の翌日が属する月以後3ヵ月間(支払基礎日数が17日未満の月を除く)に支払われた報酬により、従来の標準報酬月額と比べて1等級以上の差が出た場合に、4ヵ月目以降の月額から改定されることになります。




6.参考資料(障害者初回雇用奨励金)

~中小企業における障害者雇用の促進を図ることを目的とした助成金~
 障害者初回雇用奨励金は、中小企業における障害者雇用を促進するため、障害者雇用の経験のない中小企業が初めて身体障害者、知的障害者及び精神障害者を雇用し、当該雇入れによって法定雇用率を達成する場合に支給されます。

主な受給要件

 対象労働者を次の(1)、(2)の条件によって雇い入れ、1人目の対象労働者を雇い入れた日の翌日から起算して3か月後の日までの間に、雇い入れた対象労働者の数が障害者雇用促進法に規定する法定雇用障害者数以上となって、法定雇用率を達成すること

(1)ハローワークの紹介により雇い入れること
(2)雇用保険一般被保険者として雇い入れ、奨励金支給後も引き続き相当期間雇用することが確実であると認められること

※対象労働者
雇入れ日現在において満65歳未満である次の①~③のいずれかに該当する障害者
①身体障害者
②知的障害者
③精神障碍者


受給額

120万円


受給手続

 雇入れ完了日の直後の賃金締切日の翌日から起算した6か月後の翌日から起算して2か月以内に、管轄労働局長宛てに、支給申請書等を提出します。



 

7.日本年金機構からのお知らせ

退職後の年金加入

 退職後に厚生年金保険の適用事業所に再就職する場合は、引き続き厚生年金保険に加入しますが、それ以外の20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入するための手続きが必要です。また、扶養されていた60歳未満の配偶者(夫・妻)についても、同様に手続きが必要となります。ご注意ください。

一時金の支給金額

 

(1)厚生年金保険には、1日または1週間の勤務時間と、1ヶ月の勤務日数のそれぞれが、同様の仕事をする正社員と比べておおむね4分の3以上の場合に加入することとなります。
(2)20歳以上の方に限ります。


 


8.参考資料(平成25年毎月勤労統計調査特別調査)


小規模事業所の賃金、3年連続アップ


 このほど厚生労働省は、常用労働者1~4人の小規模事業所における昨年7月末現在の賃金、労働時間および雇用の状況をまとめた「平成25年毎月勤労統計調査特別調査」の結果を発表しました。

 それによると、きまって支給する現金給与額は前年に比べて0.8%増の19万474円となり、3年連続で増加しています。


賃 金


《きまって支給する現金給与額》

 平成25年7月のきまって支給する現金給与額は19万474円で、前年比0.8%増となりました。性別にみると、男性は25万5,403円で前年と同水準、女性は13万8,714円で0.1%減でした。主な産業では、「建設業」が24万9,483円で最も高く、次いで「製造業」20万8,190円、「卸売業、小売業」19万3,008円などとなりました。

《特別に支払われた現金給与額》

 平成24年8月1日から25年7月31日までの1年間に、賞与など特別に支払われた現金給与額は20万1,806円で、前年比5.4%増となりました。性別にみると、男性は28万902円で5.5%増、女性は13万7,103円で2.8%増でした。主な産業では、「医療、福祉」が24万1,284円で最も高く、次いで「卸売業、小売業」21万9, 680円、「製造業」18万4,274円、「建設業」16万1, 449円などとなりました。


出勤日数と労働時間


 出勤日数は20.7日で、前年より0.1日増加しました。また、通常日1日の実労働時間は7.1時間で、前年と同水準となりました。


雇 用


《常用労働者の割合》

 常用労働者の割合を主な産業についてみると、「卸売業、小売業」が26.8%で最も高く、次いで「建設業」、「宿泊業、飲食サービス業」10.9%、「生活関連サービス業、娯楽業」、「医療、福祉」9.1%などとなりました。

《女性労働者の割合》

 常用労働者に占める女性労働者の割合は55.6%で。前年比1.5ポイント減となりました。