1. 東京都千代田区・社会保険労務士法人ACROSEED
  2. メールマガジン
  3. メールマガジン2014年02月号

メールマガジン2014年02月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2014年02月 Vol.61

1.人事・総務ニュース

1月のできごと

雇用保険法改正案を国会提出 ~ 育児休業給付の引き上げは4月1日から ~

 政府は1月31日、雇用保険法の改正案を閣議で決定、同日国会に提出しました。

 改正案では、育児休業給付の給付率について、当面の間、休業開始から通算180日間に限って、現行の50%から67%に引き上げることとし、その施行時期は平成26年4月1日からとしています。

 また、26年10月1日から、資格や学位の取得を目指す人を対象に、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受ける場合、原則2年間、教育訓練給付金の給付率を引き上げることが盛り込まれています。


特例水準の解消が影響 年金額、4月分から0.7%引き下げ

 厚生労働省はこのほど、平成26年度の年金額を0.7%引き下げると発表しました。年金額改定の指標となる全国消費者物価指数の25年の対前年比変動率はプラス0. 4%で、年金額改定に用いる「名目手取 り賃金変動率」はプラス0.3%となりました。

 しかし、平成12年度から14年度にかけて、物価下落にもかかわらず、物価スライドを行わずに年金額を据え置いたことなどにより、本来の年金額より高い水準(特例水準)で支払われていたことを解消するスケジュールに基づき、平成26年4月からマイナス1.0%の調整が実施されるため、結果的にマイナス0. 7%の改定となりました。

 なお、年金の受取額が変わるのは、通常4月分の年金が支払われる6月からとなります。


最高裁で判決 添乗業務を「みなし労働」と認めず

 労働基準法で定める「事業場外労働のみなし労働時間制」の適用は不当だとして、大阪市の観光会社に勤務する女性添乗員が会社に対して残業代の支払いを求めていた訴訟で、最高裁は1月24日、会社側の上告を棄却。同社に約30万円の支払いを命じた二審判決(東京高裁)が確定しました。

 判決では、添乗員の旅行日程が事前に決まっており、これに沿ったスケジュールの管理を具体的に指示されていたこと、旅行中は会社の指示で携帯電話の電源を常に入れていたことなどから、会社が添乗員の労働時間の把握が困難であったとは言い難いとして、みなし労働時間の適用はできないと判断されました。


協会けんぽ 介護保険料率、26年度引き上げへ

 全国健康保険協会は、平成26年度の都道府県単位の健康保険料率は現在の保険料率を据え置きとする一方で、全国一律の介護保険料率については現在の1.55%(労使折半)から1.72%(同)へ引き上げる方針を固めました。

 厚生労働大臣の認可を受けた後に26年度の保険料率が決定されると、介護保険料は3月分(4月納付分)から引き上げが実施されることになります。



2.社会保険ワンポイント・ゼミナール(育児休業給付の受給資格の確認)


育児休業給付の受給資格は

 雇用保険の育児休業給付を受けるためには、育児休業を取得した雇用保険の一般被保険者について、まず事業所の所在地を管轄するハローワークに受給資格確認の手続きを行います。

 この受給資格の確認が行われてはじめて給付金の支給申請ができることになるので、その前に資格要件を満たしているかどうかチェックしておくことが重要です。

 対象となる育児休業は、1歳(いわゆる「パパ・ママ育休プラス制度」を利用する場合は1歳2ヵ月、保育所における保育の実施が行われないなどの場合は1歳6ヵ月)に満たない子を養育するための休業で、男性、女性のどちらも対象となります。

 ただし、女性の場合は、労働基準法で定める産後休業(出産日の翌日から8週間)は対象となりません。

 また、受給資格の確認が行われるには、育児休業を開始した日の前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が通算して12ヵ月以上あることが要件となっています。

 この賃金支払基礎日数は、年次有給休暇など、取得した休暇に対して賃金が支払われた日も含みます。

 また、この2年間に、疾病、負傷、出産など、やむを得ない理由により引き続き30日以上賃金の支払いを受けることができなかった期間かおる場合には、その期間を2年間に加算することができます。(加算できる期間は最長2年間)

 先に取得した育児休業にかかる期間であって、期間中に育児休業給付金の支給を受けていても、賃金の支払いを受けていなければ、その期間も加算の対象となります。


「期間雇用者」の場合は

 一般被保険者が期間を定めて雇用される人の場合は、前記の受給資格の確認に加えて、休業開始時において次の①、②の要件のいずれにも該当していることが必要です。

①同一事業主のもとで1年以上雇用が継続 していること
②1歳に達する日を超えて引き続き雇用される見込みがあること(2歳までの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである場合は除きます)

 

受給資格確認の手続きは

 受給資格確認の手続きは、対象者が育児休業を開始した日の翌日から10日以内に所定の書類を提出して行いますが、受給資格の確認と初回の支給申請を同時に行うこともできます。この場合は、休業を開始した日から4ヵ月を経過する日の属する月の末日までに行います。



3.参考資料 (裁量労働制等に関するアンケート調査)

 5割が「裁量労働制」で従業員の意識に変化
 このほど厚生労働省が発表した「裁量労働制等に関するアンケート調査」(速報、昨年10月に実施)によると、裁量労働制を導入した効果として、55. 2%の事業場が「効率よく仕事を進めるように従業員 の意識が変わった」と回答し、適用されている従業員も70. 5%が「満足」していることが分かりました。

導入のきっかけ

 制度導入のきっかけとして、「労働者の創造力を高め、能力発揮を促すため」(46.7%)や「成果主義・業績評価制度導入の一環として」(35.0%)、「労働者のワーク・ライフ・バランスを推進するため」(27.6%)を挙げた事業場が多くありました。

 

裁量労働制の効果

 裁量労働制導入の効果として、「効率よく仕事を進めるように従業員の意識が変わった」(55. 2%)や「従業員のモチベーションが向上した」(27.0%)を挙げた事業場が多くありました。


適用を受ける事への満足度

 裁量労働制が適用されている労働者のうち、「満足」(32.9%)と「やや満足」(37. 6%)を合わせると70.5%となり、「不満」(6.6%)と「やや不満」(20.1%)を合わせた26.7%を大きく上回りました。  また、不満な点としては、「労働時間が長い」(49.2%)、「業務量が過大」(46.7%)、「給与が低い」(43.0%)を挙げた回答が多くありました。


適用前と比較した制度適用の満足度

 裁量労働制の適用者となった理由として、「仕事の裁量が与えられていることにより、仕事がしやすくなると思った」、「自らの能力の有効発揮に役立つと思った」を挙げた労働者では、「概ね期待どおり」の割合が高くありました(それぞれ42.3%、38.7%)。

 一方、「仕事を効率的に進められるので、労働時間を短くすることができると思った」を挙げた労働者では、「あまり期待どおりになっていない」の割合が高くありました(44.9%)。



制度への評価・変更すべき点

 現行の裁量労働制について、「今のままでよい」と回答した事業場が71.3%、「変更すべき」が25.5%で、具体的な変更すべき点として、「一定以上の高い水準の年収が確保されるなら、労働時間規制を適用除外すべき」(47.5%)や「1日ではなく、1週間や1ヵ月のみなし労働時間を認めるべき」(29.4%)を挙げ た事業場が多くありました。



手続きについて

 企画業務型裁量労働制を導入している事業場で、手続きについて、「現行制度でよい」と回答した事業場が38.1%、「有用でない手続きがあり煩雑だ」が29.2%で、煩雑な手続きとして、「報告の作成及び労働基準監督署長への届出」(66.9%)や「決議届の作成及び労働基準監督署長への届出」(51.3%)、「個別労働者からの同意」(35.6%)を挙げた事業場が多くありました。


実労働時間の把握

 実労働時間の把握方法に関して、企画業務型裁量労働制については、「タイムカード・ICカード」(27.2%)、「自己申告制」(20.8%)、「PCのログイン・ログアウト」(10.0%)を挙げた事業場が多く、専門業務型裁量労働制については、「自己申告制」(33. 3%)、「タイムカード・ICカード」(31. 7%)を挙げた事業場が多くありました。


裁量労働制の適用者だけに支払われる手当

 裁量労働制の適用者だけに支払われる特別手当がある事業場は55.1%で、そのうち、特別手当の金額設定基準として、「通常の所定労働時間を超える残業代相当分」(75. 2%)を挙げた事業場が最も多く、次いで、「業務遂行の結果や成果」(25.4%)、「業務遂行の能力や態度」(10.8%)となりました。

 また、企画業務型裁量労働制についての特別手当は月平均7.7万円となっているが、分布をみると5万円未満~10万円以上とバラツキがあります。


健康・福士確保措置

 実際に実施した健康・福祉確保措置としては、「産業医等による助言・指導または保健指導を受けさせる」(40.4%)や「心と体の健康相談窓口を設置する」(39.2%)、「年次有給休暇の連続取得を含む休暇取得促進措置を講じる」(33.8%)を挙げた事業場が多くありました。

 また、裁量労働制の適用者のうち、健康・福祉確保措置は「十分」との回答が72.0%、「十分でない」が26.4%で、不十分とする労働者が要望する具体的措置としては、「年次有給休暇の連続取得を含む取得促進措置」(41.5%)や「休日・休暇を組み合わせた連続休暇制度の導入」(33.1%)、「一定時間以上の勤務が行われた場合の特別休暇付与」(31.1%)を挙げた回答が多くありました。

4.労務管理(トラブル回避の対応術)

パートと正社員の通勤手当に差をつけることはできるか?
 当社では、通勤手当は実費支給を原則としていますが、1ヵ月の上限額を設けていて、パートは正社員と仕事の内容が異なるので、上限額は正社員よりも1万円少なくしています。 

 このたび、1人のパートが転居したため、1ヵ月の通勤費がパートの通勤手当の上限額を5, 000円ほど超えてしまうことになりました。本人は少し不満の様子でしたが、転居はあくまでも本人の都合な ので、特例扱いをせず、通勤手当は上限額での支給とすることにしました。このように、正社員とパートとで通勤手当の扱いに差をつけることは問題でしょうか?



パートの賃金の決定

 パートタイマー(短時間労働者)の賃金については、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パート労働法)において、「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」の賃金の決定で差別的扱いを禁止しています。

 これは、業務の内容や責任の程度が通常の労働者と同一であって、期間の定めのない(実質的に期間の定めがないと認められるものを含む)労働契約を締結しており、その職務の内容および配置の変更の範囲が通常の労働者と同一の範囲で変吏されると見込まれる短時間労働者については、通常の労働者(:FE社員)と比べて差別的な扱いをしてはならないことを定めたものです。

 その一方で、業務の内容や責任の程度などが通常の労働者と同一でないような短時間労働者については、「事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金を決定するように努めるものとする。」と定められており、正社員との均衡を考慮して賃金を決定することを努力義務としています。


通勤手当の扱い

 パート労働法において、業務の内容や責任の程度などが通常の労働者と同一でないような短時間労働者に対して、正社員との均衡を考慮して決定することとしている「賃金」は、基本給、役付手当、職務手当など職務の内容に密接に関連して支払われる賃金を指し、通勤手当、退職手当、家族手当、住宅手当など職務の内容に密接に関連して支払われるもの以外の賃金は対象外とされています。

 ただし、同法に関連して策定された「事業主が講ずべき措置についての指針(ガイドライン)」においては、「短時間労働者の退職手当、通勤手当その他の職務の内容に密接に関連して支払われるもの以外の手当についても、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとする。」と示されています。

 以上のことから、質問のケースのように、パートタイマーの通勤手当について、業務の内容や責任の程度などが正社員と同一でなければ、上限額で正社員と差をつけることは法令上問題はありませんが、指針で示されているように、就業の実態やパートタイマーの上限額が正社員よりも低く設定された経緯なども踏まえて、正社員との均衡が考慮されているかどうか、検証しておくことは重要といえるでしょう。


5.参考資料 (平成25年毎月勤労統計調査結果速報)

昨年の給与総額、わずかに増加

  厚生労働省が2月5日に発表した「毎月勤労統計調査」(速報、従業員5人以上の事業所が対象)によると、平成25年の1人1ヵ月平均の現金給与総額は31万4, 150円で、過去最低たった前年(31万4, 127 円)よりわずかに増えたことが分かりました。
 なお、速報値は確報で改訂される場合があります。
  

賃金

 1人平均の月間現金給与総額は、従業員5人以上の事業所(以下すべての項目で同規模)で前年と同水準の31万4,150円となりました。このうち、きまって支給する給与は0.4%減の26万435円(所定内給与が0.6%減の24万1, 338円、所定外給与が1.8%増の1万9, 097円)で、ボーナスなどの特別に支払われた給与は2.1%増の5万3, 715円となりました。

 また、現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は0.7%増の40万4, 743円、パートタイム労働者は0.6%減の9万6,630円となりました。


労働時間

 1人平均の月間総実労働時間は、前年比1.0%減の145.5時間と2年ぶりに減少した。このうち、所定内労働時間は1.3%減の134.9時間、所定外労働時間は2. 3%増の10.6時間となりました。

 なお、月間の時間数を12倍して年換算すると、総実労働時間は1,746時間で、このうち、所定内労働時間が1,619時間、所定外労働時間が127時間でした。

 また、総実労働時間を就業形態別にみると、一般労働者は0.6%減の168. 2時間、パートタイム労働者は1.1%減の91. 1時間となりました。



雇用

 常用労働者は、前年比0.8%増の4, 612万6, 000人と10年連続で増加しました。  このうち、一般労働者は0.1%減の3, 255万9,000人、パートタイム労働者は3.0%増の1,356万7,000 人となりました。

 また、主な産業についてみると、製造業1.2%減、卸売業、小売業0.4%減、医療、福祉3.2%増となりました。


6.参考資料(憲法改正について労政審が建議)

派遣期間の制限、「業務単位」を撤廃へ  

 労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)は、1月29日、労働者派遣制度の改正について建議を行いました。
 それによると、派遣期間に制限のない26業務という区分と、業務単位での期間制限(上限3年)を撤廃した上で、原則的には派遣労働者個人単位と派遣先単位の2つの期間制限を軸とする制度に見直すことが適当であるとしています。
 法改正で期間制限が個人単位に移行された場合、同一の派遣対象業務であっても、派遣先が派遣労働者の受け入れ開始から3年を経過するときまでに、過半数労働組合(または労働者の過半数を代表する者)から意見を聴取することを要件に派遣労働者を入れ替えることで、制限期間を超える派遣の受け入れができることになります。
 厚生労働省は、建議の内容を踏まえ、平成27年4月からの施行を目指し、今の通常国会への法案提出に向けて、法案要綱を作成することとしています。


事業区分と許可制の見直し

 「特定労働者派遣事業」(届出制)と「一般労働者派遣事業」(許可制)の区別を撤廃して、経過措置を設けた上で、すべての労働者派遣事業を許可制にする。


派遣労働者に対する雇用安定措置

 派遣元事業主は、派遣期間の上限に達する派遣労働者に対し、本人が引き続き就業することを希望する場合は、①派遣先への直接雇用の依頼、②新たな就業機会(派遣先)の提供、③派遣元事業主において無期雇用、のいずれかの措置を講ずる。


期間制限の例外について

 無期雇用の派遣労働者、60歳以上の高齢者等については、個人単位および派遣先単位の期間制限の措置等の例外とする。


7.日本年金機構からのお知らせ


70歳以上被用者について


被保険者証について



8.参考資料(精神障害者雇用安定奨励金)

~精神障害者の雇用促進、職場定着を図ることを目的とした助成金 ~  

 精神障害者を新たに雇入れ、又は求職者を職場復帰させるとともに、精神障害者が働きやすい職場作りを行った場合に支給されます。今回はその中で「代替要員の確保」について、ご紹介します。


主な受給要件


1.対象精神障害者が1か月以上の期間を休職した場合に、休職した対象精神障害者の代替要員を確保すること。代替要員とは具体的に以下の(1)~(5)までの全てに該当する者であること。

※対象精神障害者  雇入れ日現在において満65歳未満である次の①~②のいずれかに該当する障害者  
①精神保健福祉法第45条第2項の規定により「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けている者  
②統合失調症、そううつ病又はてんかんにかかっている者知的障害者


2.対象精神障害者はハローワーク等の紹介により雇入れられており、助成対象期間は雇入れ日から起算して1年間とする [受給額] 代替要員に支払われた賃金の1/2 (6か月分、100万円を上限)


受給手続き


 支給対象期(第1期・第2期)の最終日の翌日から2か月以内に、管轄労働局長宛てに、支給申請書等を提出します。

・Ex/雇入れ日がH26.4.1の者が、H26.10.1から休職に入り代替要員を確保した場合
⇒支給申請期間(第2期 H27.4.1~5.31)に助成対象期間(H26.10.1~H27.3.31)の期間に支払われた賃金について申請