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メールマガジン2014年03月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2014年03月 Vol.62

1.人事・総務ニュース

2月のできごと

パート労働法改正案を国会提出 ~ 正社員との差別禁止対象者の範囲を拡大 ~

 「パートタイム労働法改正案」が2月14日に閣議決定され、同日、国会に提出されました。

 通常の労働者(正社員)と差別的取扱いが禁止される短時間労働者(通常の労働者と同視すべき短時間労働者)の範囲について、現行法では、①職務の内容が通常の労働者と同一、②人材活用の仕組みが通常の労働者と同一、③無期労働契約を締結している、の3つの要件にいずれも該当することと定められていますが、改正法案では、このうちの③を削除。有期契約労働者へも対象を拡大する内容となっています。

 また、短時間労働者の待遇について、通常の労働者の待遇との相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないことを新たに規定することなどが盛り込まれています。

 改正法案が成立すれば、公布の日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日から施行されます。


平成26年4月から70歳以上の一部負担金が段階的に見直されます

 70歳から74歳までの健康保険の被保険者および被扶養者(3割負担となる現役並み所得者等を除く)が医療機関などの窓口で支払う一部負担金の割合は、従来、軽減特例措置により1割となっていましたが、平成26年4月1日以降に70歳になる健康保険の被保険者および被扶養者から段階的に70歳になる日の翌月以後の診療分から「2割」になります。

 なお、3月31日までにすでに70歳に達している被保険者等は、特例措置が継続されます。


「職場意識改善助成金」の対象を拡大 ~ テレワーク導入に助成金 ~

 労働時間等の設定の改善により職場意識の向上に取り組む中小企業事業主に対して、その実施費用の一部を助成する「職場意識改善助成金」の支給要件に、週1回以上のテレワークを導入する場合を追加する労働者災害補償保険法の改正省令案要綱について、労働政策審議会は妥当との答申を行いました。

 導入した企業に対しては、導入にかかる機器、運営費、コンサルタント費などの経費の2分の1(上限・追加助成あり)が支給されます。

 省令の改正により、今年4月1日から実施される予定です。


外国人留学生の採用意欲調査結果 ~ 外国人留学生の採用、半数以上が前向き ~

 厚生労働省がこのほど公表した「外国人留学生の採用意欲調査の結果」によると、国内企業の日本の大学を卒業する外国人留学生に対する採用意欲について、「採用意欲が高い」と回答した企業が13%、「日本人学生並み」が39%で、半数以上(52%)の企業が採用に前向きな姿勢を示していることが分かりました。

 探用する場合に求める日本語能力については、「企画書作成レベル」と回答した企業が48%で、「製造業」「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」でニーズが高く、「日常会話レベル」と回答した企業も同じ48%で、「運輸業、郵便業」「宿泊業、飲食サービス業」「医療・福祉」でニーズが高くなっています。



2.社会保険ワンポイント・ゼミナール(健康保険の任意継続被保険者)


退職後の医療保険制度

 健康保険の被保険者が退職すると、被保険者資格を失いますので、日本国内に住所がある限り、退職後は何らかの医療保険制度に加入しなければならないことになっています。

 医療保険制度は、健康保険のほかにも自営業者などが加入する国民健康保険などがありますが、本人の申請により、一定の要件に基づき、在職時に加入していた健康保険に最大で2年間引き続き加入することができます。これを「任意継続被保険者制度」といいます。


任意継続被保険者の要件は

 任意継続被保険者になるためには、次の要件をいずれも満たしていることが必要となっています。

(1)退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること
(2)退職日の翌日(資格喪失日)から20日以内に申請すること

 とくに、(2)の要件は手続き上のもので、申請の時点で事業主により健康保険の被保険者資格喪失の届出が済んでいないと申請が滞ってしまうことになるので、退職後にこうした届出の手続きが遅れないようにすることが大切となります。 任意継続被保険者の申請先は、協会けんぽでは自宅の住所地を管轄する都道府県支部、健康保険組合では各組合の受付窓口となります。


保険給付は

 任意継続被保険者である間は、原則として在職中の被保険者が受けられる保険給付と同様の給付を受けることができます。ただし、傷病手当金および出産手当金は任意継続被保険者には支給されませんが、資格を喪失した際に現に手当金を受けていた場合であって、退職日までに継続して1年以上被保険者であった人に限り、任意継続被保険者であっても引き続き受けることができます。

 また、任意継続被保険者も在職中の被保険者と同様に被扶養者のしくみがありますので、被扶養者も必要な給付を受けることができます。


保険料は

 任意継続被保険者の保険料(率)は、協会けんぽでは都道府県ごとに、健康保険組合では組合ごとに定められています。

 毎月の負担額は、退職時の標準報酬月額にそれぞれ定められた保険料率を乗じたものですが、任意継続被保険者の標準報酬月額には上限があります。(協会けんぽでは、平成26年度は28万円)

 なお、保険料の事業主負担がなくなり、全額が自己負担となります。


被保険者資格を喪失するときは

 任意継続被保険者が次のいずれかに該当するときは、被保険者の資格を喪失します。

  1. 任意継続被保険者となった日から2年を経過したとき
  2. 保険料を納付期日までに納付しなかったとき
  3. 就職により健康保険や共済組合などの被保険者資格を取得したとき
  4. 後期高齢者医療の被保険者資格を取得したとき
  5. 死亡したとき

 なお、任意継続被保険者が住所地の国民健康保険に加入するため、または健康保険の被扶養者になるためという理由では、資格を喪失することはできないことになっています。



3.参考資料 (平成25年賃金構造基本統計調査)

 所定内給与 4年ぶりの減少
 このほど厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、昨年のフルタイムで働く一般労働者の賃金(6月分の平均所定内給与額)は前年に比べて0.7%減の29万5, 700円で、4年ぶりに前年を下回ったことが分かりました。
 なお、この調査は常用労働者10人以上の4万9, 453事業所を対象に行われました。

一般労働者の賃金

《賃金、前年比》

 平成25年の賃金は、男女計で29万5,700円(平均42.0歳、勤続11.9年)、前年比0.7%減となっています。

 性別では、男性が32万6,000円(平均42.8歳、勤続13.3年)、前年比0.9%減、女性が23万2,600円(同40.4歳、同9.1年)、同0.2%減となっています。


《学歴別にみた賃金》

 男性は大学・大学院卒39万5,400円(前年比0.8%減)、高専・短大卒29万8,800円(同1.6%減)、高校卒28万3, 200円(同0.9%減)で、すべての学歴で前年を下回っています。

 女性は大学・大学院卒28万1,300円(前年比0.5%減)、高専・短大卒24万4,600円(同0. 7%減)、高校卒20万900円(同0. 2%増)で、高校卒が前年を上回っています。



《産業別にみた賃金》

 男性は金融業、保険業(45万9,900円)、教育、学習支援業(44万800円)が高く、宿泊業、飲食サービス業(26万3,700円)が低くなっています。

 女性は電気・ガス・熱供給・水道業(31万6,000円)、教育、学習支援業(30万7,100円)が高く、宿泊業、飲食サービス業(18万5,700円)が低くなっています。



《企業規模別にみた賃金》

 男性は大企業37万8,600円(前年比0. 5%減)中企業30万9,400円(同2.2%減)、小企業28万5,700円(同1.2%増)、女性は大企業25万9,400円(前年比0.5%増)、中企業22万9,700円(同0.9%減)、小企業21万1,900円(同0.8%増)となっており、男性は小企業が前年を上回り、女性は大企業および小企業が前年を上回っています。

 また、大企業の賃金を100とすると、中企業は男性82、女性89、小企業は男性75、女性82となっています。


《雇用形態別にみた賃金》

 男女計で、正社員31万4,700円(前年比0. 7%減)非正社員19万5, 300円(同0.6%減)となっています。

 性別では、男性が正社員34万400円(前年比1.0%減)、非正社員21万6, 900円(同0.7%減)、女性が正社員25万1,800円(同0.2%減)、非正社員17万3,900円(同0.5%減)となっています。
また、正社員の賃金を100とすると、非正社員は男性64、女性69にとどまっています。



短時間労働者の賃金

 1時問当たりの賃金は、男性が1,095円(前年比1円増)、女性が1,007円(同6円増)となっています。

 これを産業別にみると、男性は学術研究、専門・技術サービス業(1, 675円)が高く、宿泊業、飲食サービス業(921円)が低くなっています。

 女性は教育、学習支援業(1, 317円)が高く、宿泊業、飲食サービス業(899円)が低くなっています。



4.労務管理(トラブル回避の対応術)

育児休業中の計画年休日の賃金の扱いは?
 当社は、毎年1月に締結する協定に基づいて、8月のお盆の期間に、年次有給休暇の計画的付与を行っています。 

 休暇は一斉に付与することにしており、付与日数も自由取得分が分かるように、法定の日数から計画的付与の日数分を差し引いた日数を社員に通知しています。

 このたび、4月から育児休業に入る予定の社員から、「お盆の年次有給休暇は給与が支給されるのですか?」という質問を受けました。当社の規定では育児休業期間中は無給と定めていますので、給与は支給しないことでよろしいでしょうか。それとも、計画どおり年次有給休暇を取得したことにして、給与を支払うべきなのでしょうか?



育児休業と年次有給休暇の関係

 育児休業は、育児・介護休業法の定めに基づいて、労働者が育児休業の開始日と終了日を事業主に申し出ることで、育児休業期間中に就労する義務が免除されるものです。

 一方、労働基準法に定める年次有給休暇は、労働者の請求に基づいて、原則として指定された時季に与えなければならないとされるものです。

 このように、育児休業と年次有給休暇はどちらも労働者からの申請により、所定労働日に就労することが免除されます。したがって、使用者は労働者が先に申請した方の休業(休暇)を与えることになります。つまり、先に育児休業期間を申し出ていれば、育児休業期間は就労が免除されていることになるので、もともと労働の義務がない日に年次有給休暇を請求する余地がなくなり、使用者は育児休業期間中の日を年次有給休暇に振り替える義務はありません。

 一方で、育児休業の申し出よりも先に時季を指定して年次有給休暇を請求していれば、その時季に与えなければならないことになります。


年次有給休暇の計画的付与の場合

 年次有給休暇は、就業規則に定めることにより、あらかじめ締結した労使協定に基づいて、年次有給休暇のうち5日を超える部分について時季を指定して取得させることができます。これを計画的付与といいます。

 質問のケ-スのように、育児休業期間中の賃金は、就業規則などの定めによって無給とされていても、計画的付与で取得日が指定された年次有給休暇が育児休業期間中にある場合、育児休業の申し出前に労使協定に基づく計画的付与による時季指定が行われていれば、その日は年次有給休暇を取得したものと解され、使用者に所要の賃金の支払い義務が生ずるとされています。

 このように、無給である育児休業期間中に計画的付与により時季指定された年次有給休暇が存在すると、それぞれの制度の本来の意義が薄れることにもなります。

 育児休業中であるなど、特別の事情により年次有給休暇の付与日があらかじめ定められることが適当でない労働者については、年次有給休暇の計画的付与の労使協定を結ぶ際、計画的付与の対象から除外する配慮も必要となるでしょう。


5.参考資料

職場の安全衛生 新入社員への安全衛生教育

  4月は、多くの会社で職場に新入社員が配置される時期と言えます。新たに職業人生をスタートさせる新入社員を受け入れる職場は、早く仕事に慣れて一人前になってもらうよういろいろ教育をすることと思います。その中には、もちろん安全衛生教育も入っていると思います。
今回は、このように職場に新人が配置された場合の安全衛生教育のポイントについてお話ししたいと思います。
  

新入社員の労働災害

 新入社員が職場で労働災害に遭う場合、その職場に前からいる人たちにとっての常識からすると考えられないようなことで被災するケースがあります。

 例えば、機械が故障して修理中のとき、機械に手を触れると感電の危険があるのに手を触れて感電した事例、決められた通路を歩かず安全確認をしなかったため、フォークリフトに接触した事例、保護手袋を着用しないで素手のまま有機溶剤を使用して洗浄作業を行っていたため、有機溶剤による接触性皮膚炎となった事例、等々あげればきりがありません。

 このように新入社員が事故に遭う職場の特徴は、仕事の安全なやり方を十分教育しないで、「見よう見まね」で仕事を覚えさせているところが多いと言えます。新入社員は職場の人に「いろいろ聞いては申し訳ない」と遠慮して、危険や有害な作業であるにもかかわらずそれを聞くこともできないまま作業を行い、事故に遭う結果となってしまいます。


雇い入れ時教育

 このような事故を防止するためには、安全衛生教育が不可欠です。労働安全衛生規則でも雇い入れ時教育については、以下の項目を行うこととされています。

  1. 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること。
  2. 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること。
  3. 作業手順に関すること。
  4. 作業開始時の点検に関すること。
  5. 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。
  6. 整理、整頓及び清潔の保持に関すること。
  7. 事故時等における応急措置及び退避に関すること。


特に重要な教育

 この中でも①、②は特に重要と言えます。若年の労働者は概して危険感受性が低い傾向にあると言われていますので、リスクアセスメントの観点からも、自分が取り扱ったり使用したりする物の危険・有害性を知るということでは①が重要ですし、それらを安全に取り扱うためには②が重要です。

 知らないということは、それだけで危険であると言えます。新入社員が多く入ってくる時期には、受け入れる職場でもそのことを十分理解して迎える必要があります。新人が知らないで危険なことをしていたら、それを見た誰でもが声をかけて注意してあげるという職場全体の見守りができることも重要です。このような日常的な安全の声かけを通して、新人はその職場の安全衛生の基本を学ぶことになり、これが、もっとも身近でかつ基礎となる安全衛生教育と言えると思います。


6.参考資料

有期雇用の無期転換ルールに特例を設置へ(高度専門労働者・定年後継続雇用者が対象)  

 労働契約法に基づく有期契約労働者の無期転換ルールに関して、有期労働契約が通算5年を超えても無期転換申込権が発生しないという特例などを定めた特別措置法案が、3月7日、国会に提出されました。
同法案によると、特例の対象者は次の2種類です。


  1. 「5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務」に就く高度専門的知識等を有す る有期雇用労働者(賃金が厚生労働省令で定める額以上である者)
  2. 定年(60歳以上のものに限る)に達した後に有期契約で継続雇用される高齢者

 ①の労働者については、「一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限10年)」、②の労働者については、「定年後引き続き雇用されている期間」は、無期転換ルールに定めた通算契約期間に算入しないとしています。

 ただし、特例の適用にあたっては、事業主は対象労働者に応じた適切な雇用管理に関する事項について計画を作成、これを厚生労働大臣に提出し、認定を受けることが要件となっています。

 具体的には、①の労働者に対しては、有給の教育訓練休暇をはじめとする自らの能力の維持向上を図る機会の付与など、②の労働者に対しては、配置、職務及び職場環境に関する配慮などにおいて、適切な雇用管理を講ずることが求められます。

 また、厚生労働大臣は、認定を受けた事業主に対して、計画に基づいた雇用管理の実施状況について報告を求めることができるものとしています。

 この認定手続きの実施に先立ち、厚生労働大臣は対象労働者に応じた適切な雇用管理の実施に関する基本指針を策定することになっており、法案成立後に、労働政策審議会において指針の具体的な内容を検討の上、策定することとしています。

 今の通常国会の会期内に特別措置法案が成立すれば、平成27年4月1日に施行されることになっています。

7.日本年金機構からのお知らせ





8.参考資料(労働力調査詳細集計)

非正社員、93万人増加  

 このほど総務省が発表した2013年平均の「労働力調査詳細集計」(速報)によると、パート・アルバイトや派遣社員など「非正社員」が前年より93万人増えて1, 906万人(雇用者に占める割合は男女計で36. 7%)となり、4年連続で増加したことが分かりました。


雇用者の状況


 2013年平均の役員を除く雇用者は前年に比べ47万人増の5, 201万人。このうち、正社員は46万人減の3, 294万人、非正社員は93万人増の1, 906万人となりました。

 性別にみると、男性は正社員が前年に比べ33万人減の2, 267万人で、非正社員が44万人増の610万人。女性は正社員が14万人減の1, 027万人で、非正社員が49万人増の1, 296万人となりました。

 また、役員を除く雇用者に占める非正社員の割合は前年に比べ1.5ポイント上昇の36.7%で、性別にみると、男性が1.5ポイント上昇の21.2%、女性が1.3ポイント上昇の55.8%となりました。

 非正社員の内訳をみると、パート・アルバイトは前年に比べ79万人増の1, 320万人、契約社員・嘱託は34万人増の388万人、派遣社員は26万人増の116万人などとなりました。


完全失業者の状況


 2013年平均の完全失業者は前年に比べ20万人減の265万人(男性162万人、女性103万人)と、4年連続で減少しました。

 失業期間別にみると、「3ヵ月未満」は9万人減の76万人、「3~6ヵ月未満」は4万人減の37万人、「6ヵ月~1年未満」は6万人減の38万人、「1年以上」は3万人減の104万人となりました。

 また、完全失業者を仕事につけない理由別にみると、「希望する種類・内容の仕事がない」とする人は前年に比べ7万人減の74万人、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」は2万人減の45万人、「勤務時間・休日などが希望とあわない」は増減なしの28万人、「条件にこだわらないが仕事がない」は5万人減の25万人などとなりました。