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メールマガジン2014年06月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2014年06月 Vol.65

1.人事・総務ニュース

法律の有効期間を10年間延長 ~「改正次世代法」が成立 ~

 次代の社会を担う子どもの健全な育成を図るための次世代育成支援対策推進法(次世代法)等の一部を改正する法律が4月16日の参議院本会議で可決、成立し4月23日に公布されました。

 次世代法の一部改正では、法律の有効期限を平成37年3月31日まで10年間延長すること、平成27年4月1日より、次世代育成支援対策の実施状況が優良なものとして厚生労働大臣による新たな認定(特例認定)を受けた事業主について、一般事業主行動計画の策定・届出義務に代えて、次世代育成支援対策の実施状況の公表を義務付けることなどが柱となっています。

 また、母子及び寡婦福祉法の一部改正では、平成26年10月1日より、母子家庭への支援体制を拡充すること、父子家庭にも修学資金、生活資金等を貸し付ける制度を創設することなどが盛り込まれています。


障害者のための職場環境整備の指針案 ~ 働く障害者への配慮を例示 ~

 厚生労働省の研究会はこのほど、障害者が働きやすい職場環境の整備について、事業主が配慮すべき措置の指針案をまとめました。

 先の通常国会で成立した「改正障害者雇用促進法」において、事業主に対して、雇用する障害者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供を義務付けることが規定されたのに伴い、厚生労働大臣が具体的な配慮の事例を指針で示すこととされています。

 指針案では、「合理的配慮」は障害者の個々の事情と事業主側との相互理解の中で、障害の種類や職場の状況に応じて提供されるべき性質のものとしたうえで、視覚障害者には拡大文字、音声ソフト等の活用により業務が遂行できるようにすることや、精神障害者にはできるだけ静かな場所で休憩できるようにすることなどの例が示されました。


日本建設業連合会が提言 ~ 下請会社は100%社会保険加入を ~

 一般社団法人日本建設業連合会はこのほど、建設投資が増加に転じたことなどを受け、建設技能労働者の人材確保・育成を図るための提言を行いました。

 技能労働者への適切な賃金水準の確保、社会保険加入に必要な法定福利費の確保等を推進することが必要だと提言。具体的には、年間の労務賃金水準が全産業労働者平均レベル(約530万円)となるよう、20代で約450万円、40代で約600万円を目指すことや、社会保険の末加入対策として、平成29年度までに下請会社について100%の加入を目指すとともに、平成26年度中に原則として全ての工事において、一次下請会社を社会保険加入業者に限定することなどを挙げています。


職場の安全・衛生 ~ 熱中症に注意を ~

 熱中症とは、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分(ナトリウム等)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発疱する障害の総称で、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣・手足の運動障害等の症状が現れ、重症になると死に至ります。

 熱中症の発症が特に懸念される人としては、○高齢者、○睡眠不足、前日の飲酒、朝食抜き、肥満の
人、○糖尿病、高血圧、心臓疾患、精神神経疾患等で治療中の人、○水分、塩分補給が足りない人、○下痢、脱水症状のある人、と言われています。このような人が職場にいたら熱中症の発症リスクが高いので、気をつけることが必要です。

 熱中症は、早期の措置が大切です。少しでも異常が見られたら管理・監督者にすぐ知らせ、直ちに病院に連れて行って、医師の診察を受けるようにすることが必要です。



2.社会保険ワンポイント・ゼミナール(70歳以上の被保険者の手続き)


70歳になったときの手続き

 健康保険・厚生年金保険の被保険者は、在職したまま70歳に達すると、健康保険の被保険者資格は継続しますが、厚生年金保険の被保険者資格は喪失することになります。

 この場合、前もって年金事務所より70歳到達(予定)者リストが事業所に送付されますので、その内容を確認して「被保険者資格喪失届」を喪失日(70歳の誕生日の前日)から5日以内に所轄の年金事務所に提出します。

 また、平成19年4月より、厚生年金保険の適用事業所で勤務する一定の70歳以上の人についても、65歳以降の被保険者と同様に、在職老齢年金のしくみが適用されています。したがって、70歳以降、被保険者資格を喪失しても、報酬額によっては年金の一部または全部が減額されることがあります。

 これに伴い、資格喪失届と合わせて「厚生年金保険70歳以上被用者 該当・不該当届」の提出が必要となっています。ここでいう「70歳以上被用者」とは、70歳以降に厚生年金保険の適用事業所で勤務する従業員または役員であって一定の要件(※)に該当する人をいい、被用者に該当するときは、あらためて報酬月額も届け出ることになります。

 また、70歳以上の被用者である期間は被保険者期間ではないため、厚生年金保険料は徴収されず、年金額計算の基礎にはなりません。

 (※)①昭和12年4月2日以降に生まれた人
②過去に厚生年金保険の被保険者期間を有する人
③厚生年金保険法第12条に定める適用除外者に該当しない人


70歳以降の手続き

 厚生年金保険の被保険者資格を喪失した人で70歳以上被用者に該当する人については、事業主は70歳以降も、次のような場合には届出が必要です。

  1. 定時決定にかかる算定基礎を届け出るとき
  2. 固定的賃金の変更があり、随時改定に該当するとき
  3. 賞与を支払ったとき

 これらの届出は、一般の被保険者とは別に「70歳以上被用者 算定基礎・月額変更・賞与支払届」という名称の統一された様式で届け出ることになっています。

 また、70歳以上被用者が退職などにより被用者でなくなった場合は、「厚生年金保険70歳以上被用者 不該当届」を5日以内に提出します。このとき健康保険の被保険者である人については、同時に「健康保険被保険者資格喪失届」も提出することになります。

 一方、70歳以上被用者にあたる人を新たに採用した場合には、「厚生年金保険70歳以上被用者 該当届」を採用した日から5日以内に提出します。また、その人が75歳未満であるときは、同時に「健康保険被保険者資格取得届」も提出することになります



3.参考資料

 パートタイム労働法が変わります
「改正パートタイム労働法」が4月16日、参議院本会議で可決、成立しました。これを受けて、パートタイム労働者の方々の公正な待遇を確保し、また、納得して働くことができるよう、パートタイム労働法が変わります。

※パートタイム労働法(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)の対象となるパート タイム労働者(短時間労働者)とは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(正社員)の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」です。

1.正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲の拡大

 正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者については、これまで、(1)職務内容が正社員と同一、(2)人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一、(3)無期労働契約を締結しているパートタイム労働者であることとされていましたが、改正後は、(1)、(2)に該当すれば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者も正社員と差別的取扱いが禁止されます。



2.「短時間労働者の待遇の原則」の新設

 事業主が、雇用するパートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする、広く全てのパートタイム労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設されます。

 改正後は、パートタイム労働者の待遇に関するこうした一般的な考え方も念頭に、パートタイム労働者の雇用管理の改善を図っていただくこととなります。


3.パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務の新設

 事業主は、パートタイム労働者を雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容について、説明しなければならないこととなります。



4.パートタイム労働者からの相談に対応するための事業主による体制整備の義務の新設

 事業主は、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととなります。

※この他、虚偽報告等に対する過料や、厚生労働大臣の勧告に従わない企業名の公表制度の創設等の改 正が行われます。

※改正法の施行日は、公布の日(平成26年4月23日)から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日とされています。具体的な施行日は、今後、労働政策審議会で議論の上、決定される予定です。

※改正法の内容以外でも、以下の内容などについて、今後、労働政策審議会で議論の上、省令または指針等で対応される予定です。

・通勤手当を一律に均衡確保の努力義務の対象外とすることは適当でない旨を明らかにすること。
・事業主は、パートタイム労働者が事業主に説明を求めたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。



4.労務管理(トラブル回避の対応術)

休日の地域行事への参加は労働時間か?
 当社は、地域住民との親睦を深めるため、このたび休日に開催される地域の行事に参加することになりました。

 当初は社内から参加者を募りましたが、募集人数に足りなかったため、その後社長の指示で数人を指名し、参加させることにしました。この場合、参加した社員は休日に労働したことになるのでしょうか?



労働時間とは

 労働時間とは、判例などにおいて使用者の指揮命令下におかれている時間とされています。使用者の指揮命令下にあるとは、実際に使用者の指示にしたがって作業を行う時間に限らず、明確な指示がなくても、指揮命令下にあると評価されれば労働時間にあたるとされます。

 たとえば、始業時刻前に作業の準備を行うことが業務上不可欠なものであって、労働者がこれを余儀なくされる場合は、その準備行為の時間は、特段の事情がない限り所定労働時間外であっても使用者の指揮命令下におかれていると判断され、労働時間にあたるものと解されます。


地域行事への参加は労働時間か

 休日に行われる地域行事に参加することなどが労働時間にあたるかどうかは、上記の判断要素などを勘案して個別の事案ごとに考えることになります。

 その行事への参加が通常の業務とは直接関係がなくても、使用者の明確な指示があって参加するのであれば、労働時間になります。

 また、直接の指示がなくても、参加しないことで就業規則上の制裁を受け、または賞与などの査定でマイナスの評価につながるなどの不利益を被ることがあれば、事実上参加することが労働者に義務づけられているものとされ、労働時間といえるでしょう。


参加者の扱いは

 今回のケ-スは、地域行事に参加することが業務の一環と位置づけられているかどうか明らかではありませんが、強制ではなくあくまでも労働者の自由意思による参加で、参加しなくても不利益となる扱いを受けることがまったくないなど、指揮命令下にあると判断されるものでなければ、労働時間として扱わなくても差し支えないことになります。

 ただし、建前上は自由参加であっても、一定の参加人数を確保するため、労働者を特定して使用者が参加を強制力のある業務命令として指示した場合、指示された労働者が行事に参加した時間は使用者の指揮命令下にあると判断されるものといえます。したがって、その日が休日であれば、労働基準法の管理監督者に該当しない限り、法定の時間外または休日の労働時間に対する割増賃金の支払い義務が生じます。


5.参考資料 (産業競争力会議で雇用制度改革を議論)


新たな労働時間制度の導入を検討

 政府の産業競争力会議は、4月22日に開催された会合で、「働き過ぎ」防止の取り組み強化や、新たな労働時間制度の創設に向けた雇用改革案の議論を始めました。

 働き過ぎ防止の総合対策では、長時間労働を強要するような企業が淘汰されるよう、問題のある企業を峻別して、労働時間の実績に関わる情報開示の促進など、労働基準監督署による監督指導を徹底することや、ハローワークにおける企業からの求人の掲示に当たっては、従業員の定着率や残業時間のデータ開示を要することを検討するべきだとしています。


 一方、働き方の改革として、高度外国人材をはじめ優秀な人材が働きやすい環境の構築、ITなどの技術革新も踏まえた労働生産性の向上などといった目標を掲げ、こうした働き方に対する新たなニーズに対応し、目標を達成するためには、一律の労働時間管理がなじまない働き方に適応できる、多様で柔軟な新たな労働時間制度等が必要であると指摘しています。

 新たな制度として、法令に基づく一定の要件を前提に、労働時間ベースではなく、成果ベースの労働管理を基本とする時間や場所が自由に選べる働き方を提唱しています。具体的には、労働時間の上限や年休の強制取得日数を定めることなどを要件として、本人の選択により制度を利用できるタイプや、年収の要件(例えば概ね1,000万円以上)を定めた上で、高度な職業能力を有し、自律的かつ創造的に働きたい社員が選択により制度を利用できるタイプが挙げられました。

 また、企画業務型裁量労働制やフレックスタイム制といった既存の労働時間制度について、在宅勤務のニーズを踏まえた特例措置を検討するべきだとしています。これを受け、会議の議長を務めた安倍総理大臣は、関係閣僚に対し、新たな労働時間制度の創設に向けて、雇用制度改革の検討を進めるよう指示しました。


6.参考資料(新入社員 春の意識調査)

「安定型思考」の新人が増加
 このほど公益財団法人日本生産性本部が2014年度の新入社員を対象に実施した「春の意識調査」によると、「給料の決め方(給与体系)」について、「業績や能力よりも、年齢・経験を重視して給与が上がるシステム」を希望する人が44.1%と前年より5.8ポイント上昇し、安定志向をうかがわせる結果となっています。

処遇・仕事に対する意識


◆「給料の決め方(給与体系)」に対し、「各人の業績や能力が大きく影響する給与システム」を望む人は55.9%(前年61.7%)、「業績や能力よりも、年齢・経験を重視して給与が上がるシステム」を望む人は44.1%(同38.3%)となりました。

◆「学校時代の友人との先約よりも、職場のウラ情報が聞けそうな飲み会を優先する」人は58.2% (前年64.3%)、「友人との飲み会に出る」人は41.8%(同35.7%)となりました。

◆「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」を望む人は67.1% (前年62.9%)、「残業は多いが、仕事を通じて自分のキャリア、専門能力が高められる職場」を望む人は32.9%(同37.1%)となりました。

◆会議の席上、先輩と意見が対立しそうな場合、「先輩の顔をたててだまっている」人は37.5%(前年33.9%)、「自分の意見をはっきり言う」人は62.5% (同66.1%)となりました。


転職に対する意識

 転職について、「条件の良い会社であれば、さっさと移る方が得だ」とする人は30.9%(前年26.0%)と、10年ぶりに3割を超えました。

 また、「一つの会社に、最低でもどのくらい勤めるべきだと思うか」という質問に対しては、「1年」0.6%(前年0.5%)、「2~3年」28.5% (同24.3%)、「4~5年」25.1% (同29.0%)、「6年以上」22.8% (同24.4%)となりました。


将来に対する意識

 「海外勤務のチャンスがあれば応じたい」とする人は50.1% (前年55.0%)、「将来への自分のキャリアプランを考える上では、社内で出世するより自分で起業して独立したい」とする人は11.8% (同14.9%)で、ともに過去最低となりました。



7.日本年金機構からのお知らせ





8.参考資料

ポジティブ・アクション能力アップ助成金  

 女性がスキルアップを図りつつ活躍できるために、働き続けることを希望する女性従業員が就業意欲を失うことなく、その能力を発揮できるよう、女性の計画的な育成を図る環境整備を進めることを目的に創設された助成金で、「女性の職域拡大」や「女性の管理職登用等」に関し数値目標を定め、そのために必要な能力をつけるため等の研修を行うことで支給されます。


主な受給要件


以下の全ての取り組みを実施すること

  1. 「女性の職域拡大」または「女性の管理職登用等」に関し、ポジティブ・アクションに関する数 値目標を設定していること
  2. 特定のサイトに数値目標を含む内容または宣言を企業代表者名を明らかにして掲載していること
  3. 「女性の職域拡大」または「女性の管理職登用等」に必要とされる能力を付与するため等の一定 の研修(*)を実施すること
  4. 数値目標について、特定のサイトへの目標掲載日から6ヶ月経過後3年以内に達成され、さらに支 給申請日までその状態が継続されていること
  5. 数値目標を達成するにあたり、女性労働者のうち少なくとも1名はポジティブ・アクション研修に 参加していたこと

受給額

1企業1回限り 15万円(中小企業30万円)


受給手続

以下の期間別に管轄労働局長宛てに、支給申請書等を提出します。

  1. 数値目標の達成日が1月1日から6月末日までの場合は同年7月1日から8月末日まで
  2. 数値目標の達成日が7月1日から12月末日までの場合は翌年1月1日から2月末日まで