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メールマガジン2015年01月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
205年01月 Vol.72

1.人事・総務ニュース

定年退職後の継続雇用者などが対象 ~ 無期転換ルールの特例法を公布 ~

 有期雇用労働者の「無期転換ルール」に特例を設ける特別措置法が、臨時国会で成立し、11月28日に公布されました。施行日は平成27年4月1日です。

 労働契約法(第18条)では、有期労働契約が繰り返し更新され、通算で5年を超えた場合に、労働者の申込みがあれば、無期労働契約に転換することが定められていますが、特別措置法では、次の①、②に該当する労働者は、下記のそれぞれの期間は無期転換申込みの権利が発生しないとしています。

①定年後に引き続き雇用される有期雇用労働者
⇒定年後に引き続き雇用されている期間

②5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務に従事する、高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者
⇒一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間(上限10年)

 特例の適用にあたり、事業主は対象労働者に応じた適切な雇用管理の措置に関する計画を策定し、厚生労働大臣の認定を受けることが必要となります。


衆議院の解散で ~ 派遣法改正案と女性活躍推進法案は廃案に ~

 先の臨時国会に提出されていた「改正労働者派遣法案」と「女性活躍推進法案」は、11月21日に衆議院が解散されたことにより、いずれも審議未了で廃案となりました。

 派遣期間制限の見直しなどを内容とした改正派遣法案は、平成27年4月からの施行を目指していましたが、臨時国会の前に開催されていた通常国会に提出された際にも、法案の記載ミスがもとで審議が停滞したことにより、閉会と同時に廃案となっていました。


大卒内定率、前年同期比4.1ポイント増

 厚生労働省と文部科学省は、平成26年度の大学等卒業予定者の就職内定状況調査の結果を発表しました。

 平成26年10月1日現在での就職内定率をみると、大学は前年同期を4.1ポイント上回る68.4%と、この時点では4年連続で増加しています。大学以外では、短大(女子学生のみ)が26.7% (3. 1ポイント増)、高等専門学校(男子学生のみ)が93.4% (2.3ポイント減)、専修学校(専門課程)が49.0% (5.6ポイント増)となっています。

 また、文部科学省がまとめた高校生の就職内定率は、平成26年10月末現在71.1%で、前年同期と比べて7.0ポイント増加しています。


大卒・高卒初任給、前年を上回る

 厚生労働省がまとめた賃金構造基本統計調査(初任給)の結果によると、新規学卒者の平成26年初任給は、大学卒で20万400円(前年比1.2%増)、高校卒で15万8,800円(同1.8%増)といずれも前年を上回りました。

 規模別にみると、従業員数10~99人の「小企業」で、大学卒の男性が前年より1.4%増の19万7,300円、女性が2.9%増の19万400円、高校卒の男性が2.3%増の16万1,700円、女性が2.5%増の15万1,800円と、いずれも大幅に伸びているのが目立っています。


2.社会保険ワンポイント・ゼミナール(高額医療費制度の変更(平成27年1月))


被保険者の所得区分の変更

 医療費の自己負担額が高額になった場合に適用される健康保険の「高額療養費制度」について、平成27年1月診療分より、70歳未満の被保険者の所得区分が従来の3区分から5区分に細分化されました。

 これにより、標準報酬月額が53万円以上の被保険者(被扶養者も含む)の自己負担限度額が引き上げられ、医療費が高額となる場合は、従来に比べて負担増となります。

 一方で、標準報酬月額が26万円以下の被保険者であって、市区町村民税が非課税ではない人の場合は、新たに「区分エ」が設けられたことにより、従来に比べて負担が軽減されることになりました。

 なお、健康保険組合では高額療養費に関する付加給付の制度を設けている組合もあり、付加給付の変更の有無については各組合ごとに異なります。


限度額適用認定証の扱い

 70歳未満の健康保険被保険者や被扶養者が、入院や外来診療で医療費が高額になると見込まれる場合に、あらかじめ交付された限度額適用認定証を保険証と併せて医療機関の窓口に提示すると、1ヵ月の窓口での支払いが自己負担限度額までとなりますが、今回の所得区分の変更に伴い、1月1日から限度額適用認定証(限度額適用・標準負担額減額認定証)の区分表記が変わります。(従来‥・区分A~C、変更後…区分ア~オ)

 このため、1月1日以降は、以前の区分表記の限度額適用認定証等は使用できませんので、必要な場合は、改めて限度額適用認定証等の交付申請を協会けんぽの都道府県支部(または健康保険組合)にする必要があります。



3.参考資料 (CSRと安全衛生)

CSRとは


 CSRとは、コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティの略称で、企業の社会的責任を意味します。CSRは企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆる利害関係者(消費者、投資家、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることであるとされています。

 そして、企業の経済活動には利害関係者に対して説明責任があり、それができなければ社会的容認が得られず、信頼のない企業は持続できないとされています。

 そこで、この説明責任の一環として、最近、CSR報告書等のレポートを発行する企業が増えています。この報告書の中に安全衛生を盛り込む企業が多くあり、これを見るとCSRにおける安全衛生の位置付けが分かります。


労働安全衛生分野の記載がある企業


 中央労働災害防止協会が実施した調査結果では、CSR報告書に労働安全衛生分野の記載がある企業は、平成17年度が68%、18年度が75%でした。この割合を産業別にみると、18年度で第二次産業77%、第三次産業70%と第二次産業がやや高い結果となりました。


報告書の記載項目


 労働安全衛生分野の記載がある企業の報告書について、当該分野の項目の記載割合をみると、「メンタルヘルス」(17年度67%、18年度68%)、「災害統計」(69%、66%)、「安全衛生の取組みの概要」(57%、56%)、「健康診断」(45%、46%)、「健康管理一般」(45%、46%)の順になっています。


報告書への記載の効果


 報告書に労働安全衛生分野を記載することによって、幹部クラスの労働安全衛生に対する意識が向上した、従業員の安心感につながっているとする企業がありました。
また、多くの企業ではCSR報告書等を従業員の教育に使用しているという結果も出ています。


企業の姿勢が判明


 報告書の内容から、企業がどのくらい労働・社会的な側面を重視しているかが分かります。すなわち、労働安全衛生面の記述の有無や当該記載が表す労働安全衛生面の取組状況が、その企業の労働安全衛生についての重要なメルクマール(指標)となり、企業の姿勢が明らかになります。


企業イメージの向上


 現在、インターネット上では多くの企業のCSRが公表されています。その中には、基本方針を策定し、CSR行動ガイドラインを設けて、職場の安全衛生に関する具体的方針を定め、従業員が働きやすい環境づくりに努めていることを表明している企業があります。

 このように労働安全衛生をCSRの中に位置づけ、積極的な取組みを表明していくことで企業イメージの向上にもなると思います。まだ取り組まれていない企業は、年の初めに新たな取組みとして考えられてはいかがでしょうか。



4.労務管理(トラブル回避の対応術)

 宴会での言動もセクハラになるか?
 当社の女性社員から、会社が主催した年末の宴会での上司の話があまりにも性的に過激なものだったので気分が悪くなった、思い出してしまうので、できればもう上司の顔を見たくない、という訴えがありました。ほかの社員にも事情を聞くと、個人的なセクハラではないが確かに言動が行き過ぎていたかもしれない、という証言がありました。その上司にも聞きましたが、酔っていて覚えていないということでした。
 こうした宴会の席であっても、職場のセクハラ行為に当たるのでしょうか。またその場合にはどう対応したらよいのでしょうか?

職場におけるセクシャルハラスメントとは


 男女雇用機会均等法(第11条)では、事業主は、職場でのセクシュアルハラスメント(セクハラ)防止のために、労働者からの相談に応じ適切に対応するため、必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないと定められています。

 職場におけるセクハラとは、職場で発せられる性的な言動に対して労働者が示した反応によって、その労働者が労働条件で不利益を受けるもの(対価型)と、性的な言動によって労働者の就業環境が害されるもの(環境型)の2種類をいいます。


宴会は「職場」なのか


 均等法に基づく指針の中で、「職場」とは、通常労働者が就業している場所以外の場所であっても、その労働者が業務を遂行する場所については「職場」に含まれるものと示されています。例えば、取引先の事務所や仕事の打合せをする飲食店などがこれに当たるとしています。

 また、勤務時間外の「宴会」なども、実質勤務の延長と考えられるものは「職場」に該当しますが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加が強制的か任意かなどを考慮して個別に行うものであるとしています。


適切な対応


 質問のケースでは、宴会の席が「職場」であったかどうかの判断は必要ですが、事実関係をさらによく調べて、上司の性的な言動により、訴えがあった女性労働者の就業環境が害された(環境型セクハラ)と確認できた場合は、事後の迅速かつ適切な対応が事業主に求められます。

 具体的には、行為者に謝罪させること、行為者と被害者の関係改善に向けて援助すること、場合によっては配置転換や被害者のメンタルヘルス不調への相談対応を実施すること、などが適切な対応と認められています。

 普段は注意をしていても、宴会では気が緩み、お酒の勢いもあって、気がつかないうちにセクハラに当たる行為に及んでしまう場面もあるかもしれません。雇用管理上でも、こうした発生の原因や背景に十分配慮して、セクハラに対する事業主の方針の明確化とその周知・啓発、未然に防ぐための講習などを実施するとともに、広く相談に応ずるための体制の整備などの措置が必要であるとされています。



5.参考資料 (平成26年の初任給と対前年増減率)



6.参考資料 (日本年金機構からのお知らせ)

 

7.参考資料 (障害者雇用、11年連続過去最高に)

 平成26年6月1日現在、全国の民間企業(50人以上規模の企業8万6,648社)に雇用されている障害者数は43万1,225.5人と、11年連続で過去最高となったことが厚生労働省の集計で分かりました。
 中でも、雇用者のうち、精神障害者が前年に比べて24.7%増の約2万8,000人となったのが目立っています。

雇用されている障害者数、実雇用率


 50人以上規模の民問企業(法定雇用率2.0%)に雇用されている障害者数は43万1,225.5人で、前年より5.4% (2万2,278.0人)増加し、過去最高となりました。

 雇用者のうち、身体障害者は31万3,314.5人(対前年比3.1%増)、知的障害者は9万203.0人(同8.8%増)、精神障害者は2万7,708.0人(同24.7%増)で、いずれも前年より増加し、特に精神障害者の伸び率が大きくなりました。

 また、実雇用率は過去最高の1.82%(前年は1.76%)、法定雇用率達成企業の割合は44.7%(同42.7%)でした。


企業規模別の状況


 企業規模別にみると、雇用されている障害者数は、50~100人未満規模の企業で3万9,445.0人、100~300人未満で8万2,368.0人、300~500人未満で4万379.0人、500~1000人未満で5万1,826.5人、1000人以上で21万7,207.0人となりました。

 また、実雇用率は、50~100人未満で1.46%、100~300人未満で1.58%、300~500人未満で1.76%、500~1000人未満で1.83%、1000人以上で2.05%となりました。


産業別の状況


 産業別にみると、実雇用率は、「農、林、漁業」(2.15%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(2.02%)、「医療、福祉」(2.17%)が2.0%の法定雇用率を上回りました。 >


法定雇用率未達成企業の状況


 法定雇用率未達成企業は4万7,888社で、そのうち、不足数が0.5人または1人である企業が63.5%と過半数を占めました。