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メールマガジン2015年09月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2015年09月 Vol.80

1.人事・総務ニュース

「全国平均で18円引き上げへ」~ 地域別最低賃金額改定の目安を提示 ~

 平成27年度の地域別最低賃金額改定について、中央最低賃金審議会は7月30日、引上げ額の目安を示す答申を取りまとめました。

 各都道府県をA~Dの4つのランクに区分けし、地域別最低賃金の引上げ額の目安は、Aランク19円、Bランク18円、CランクとDランクは同額の16円が示されています。これにより、全国加重平均は18円となり、昨年度(16円)より引上げ額が2円増えています。

 東京など主に都市部のAランクとC・Dランクの差額は、昨年度の6円から3円に縮まり、都市部と地方との格差にも配慮した結果となりました。

 今後は、各地方最低賃金審議会でこの答申を参考に審議が行われ、各都道府県労働局長が最終的な改定額と発効日を決定することになっています。


過労死ゼロへ具体的取り組みを決定  ~ 過労死等の防止のための対策に関する大綱 ~

 政府は7月24日、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」を閣議決定しました。
同大綱では、国の関係行政機関が緊密に連携して、(1)調査研究等、(2)啓発、(3)相談体制の整備等、(4)民間団体の活動に対する支援の4つの重点対策を効果的に推進するため、今後おおむね3年間での取組みについて定めています。

 一方、事業主が過労死等の防止に取り組む重点対策として、国が行う対策に協力するとともに、労働者を雇用する者として責任をもって対策に取り組むよう努めることを明記。産業医や衛生管理者などの産業保健スタッフの専門的な知識や意見の活用、産業医がいない規模の事業場では、各都道府県に設置されている産業保健総合支援センターを活用した体制の整備を図るよう努めることなどを定めています。


厚生年金保険料率引上げ

 今年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料率が0.354%引き上げられ、17.828% (一般の被保険者)となります。事業主負担分および被保険者負担分は、この半分の8.914%です。

 なお、厚生年金基金に加入する方の厚生年金保険料率は、基金ごとに異なります。


雇用継続給付の支給限度額引上げ


2.社会保険ワンポイント・ゼミナール(マイナンバーの利用範囲等)


マイナンバーの利用範囲

 マイナンバー(個人番号)は利用範囲が限定されていて、社会保障、税、災害対策分野の中で、法律や条例で定められた行政手続き以外の目的で利用することは禁止されています。

 したがって、事業者は、これらの手続きに必要な書類の作成事務を行う必要かある場合に限って、従業員などに対してマイナンバーの提供を求めることができます。

 例えば、所得税の源泉徴収事務で利用する目的で従業員からマイナンバーの提供を求めることはできますが、従業員に対する住宅費補助の支払いのためにマイナンバーを利用することはできません。

 法律や条例で定められた手続き以外の事務でも、行政や事業者が、マイナンバーが記載された個人番号カードを身分証明書として、代理人や顧客などの本人確認を行うことができますが、その場合は、個人番号カードの裏面に記載されたマイナンバーを書き写したり、コピーを取ったりすることはできないことになっています。


特定個人情報とは

 マイナンバーや、マイナンバーに対応する符号をその内容に含む個人情報のことを「特定個人情報」といいます。マイナンバーに対応する符号とは、マイナンバーに対応し、それに代わって用いられる番号や記号などで、住民票コード以外のものを指します。

 マイナンバーを規則的に変換した番号などが漏えいすれば、マイナンバー自体が漏えいする場合と同様のリスクがあることから、特定個人情報もマイナンバーと同様に取り扱うことが必要とされます。したがって、マイナンバー自体ではなくても、マイナンバーが類推できる番号などが付けられた個人情報の利用目的も制限されることになります。

 また、従来の個人情報をサーバーのデータベースなどで一元管理しており、今後マイナンバーについても同様のデータベースで管理するような場合、そのサーバー内の情報は特定個人情報という扱いになります。


特定個人情報ファイルの作成の制限

 特定個人情報が格納されたファイルを「特定個人情報ファイル」といいます。事業者が特定個人情報ファイルを作成することができるのは、マイナンバー関係事務またはマイナンバー利用事務を処理するために必要な範囲に限られています。

 従業員などの源泉徴収票作成事務や健康保険・厚生年金の被保険者資格関係の届出事務などに限って、特定個人情報ファイルを作成することができるもので、法律で定められた事務処理以外の目的で、特定個人情報ファイルを作成することが禁止されています。

 例えば、従業員の退職金の積み立てを管理する目的で特定個人情報ファイルを作成することはできません。



3.参考資料 (「人並みに働けば十分!」、過去最高に )

 このほど公益財団法人日本生産性本部は、平成27年度の新入社員を対象に実施した「働くことの意識」調査結果を発表しました。
 それによると、「人並み以上に働きたいか」という問いに対し、「人並みで十分」という回答が53.5%と過去最高になり、就職状況の好転にともなって、“ほどほど”に頑張るという志向が強まっているようです。

強まる“ほどほど思考”


 その年の新入社員の就職活動が順調だったかで敏感に変化する項目に、「人並み以上に働きたいか」があります。

 景況感や就職活動の厳しさによって、「人並み以上」と「人並みで十分」が相反した動きを見せます。特にバブル経済末期の平成2~3年度には、「人並み以上」が大きく減り、「人並みで十分」が大きく増えましたが、その後の景気低迷にともない平成12年度以降入れ替わりを繰り返しています。

 ここ数年では、平成24年度に厳しい就職状況を背景に「人並み以上」が「人並みで十分」を逆転しましたが、平成25、26年度そして今年度と「人並み以上」が減少(42.7%→40.1%→38.8%)するとともに、「人並みで十分」が増加(49.1%→52.5%→53.5%)して過去最高。会社に大きく貢献したいという意欲よりも、“ほどほど”に頑張るという志向が見受けられます。

 一方で、「仕事中心か(私)生活中心か」という質問では、常に「両立」という回答が多数を占め、今年度は81.1%でした。


社長思考も専門職志向も低水準


 「どのポストまで昇進したいか」という質問に対して、最も多かったのは「専門職(スペシャリスト)」(20.4%)で例年通りでしたが、その割合は過去最低を更新した昨年度(19.9%)とほぼ同水準です。

 10年前と比べ、男性では社長という回答は大きく減り(27.0%→17.4%)、部長と課長が増加(13.7%→20.2%と3.2%→6.4%)。一方、女性では専門職志向が低下し(34.1%→27.2%)、その分、部長と課長という回答が増加し(7.2%→10.5%と4.6%→6.4%)、部長という回答が初めて2桁になるなど、女性の昇進志向がやや高まっている傾向が見受けられます。


デートか残業か


 「デートの約束があった時、残業を命じられたら、あなたはどうしますか」という質問に対しては、「デートをやめて仕事をする」(80.8%)、「ことわってデートをする」(19.0%)と、全体としてはプライベートな生活よりも仕事を優先する傾向が引き続きうかがえますが、この数年はやや「デート派」が増加しています。


第一志望に入社

 「第一志望の会社に入れたか」という質問に対して、「入れた」という回答は、平成24年度の60.9%から25年度は52.0%と大幅に減少して過去最低でしたが、26年度は55.0%とわずかに改善され、今年度も56.4%とわずかに増加しました。


会社の選択理由


 就職先の会社を選ぶ理由として、最も多かった回答は「自分の能力、個性が活かせるから」(30.9%)。以下「仕事が面白いから」(19.2%)、「技術が覚えられるから」(12.3%)の順でした。

 平成以降、「会社の将来性」と入れ替わるように増えた「仕事が面白いから」はこの数年低下が続いています。

就労意識


 就労意識について16の質問をあげ、「そう思う」から「そう思わない」まで4段階で聞いたところ、肯定的な回答(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)の比率は下表のような順になりました。総じて、ポジティブないし積極的な態度が上位を占め、ネガティブないし消極的な態度が下位を占めました。

 なお、今年度から新しい項目として追加された「ワーク・ライフ・バランスに積極的に取り組む職場で働きたい」は89.8%でした。

 また、昨年度追加の「できれば地元(自宅から通える所)で働きたい」は64.8%から65.0%と微増だったのに対し、「海外の勤務があれば行ってみたい」は46.3%から43.7%に減少しました。


生活価値観

 一般的な生活価値観について16の質問をあげ、「そう思う」「ややそう思う」の合計を順位づけると、積極性を示す項目が上位を占め、消極性を示す項目が下位を占めました。

 1位となったのは「人間関係では、先輩と後輩など上下のけじめをつけることは大切なことだ」(88.5%)で、以下「将来の幸福のために、今は我慢が必要だ」(84.6%)、「他人にはどう思われようとも、自分らしく生きたい」(81.4%)、「明るい気持ちで積極的に行動すれば、たいていのことは達成できる」(80.8%)、「自分はいい時代に生まれたと思う」(77.3%)などとなりました。


対人関係


 対人関係について、1位となったのは「浅く広くより一人の友人との深い付き合いを大事にする」(79.3%)で、以下「相手とは意見が違っても、その場ではあまり反論しない」(62.3%)、「友人といるより、一人でいるほうが落ち着く」(51.9%)となりました。



4.労務管理(トラブル回避の対応術)

 退職勧奨で注意すべきことは?
 若手の社員が最近、職場でたびたび問題行動を起こすので、退職を勧めようと考えています。 トラブルに発展しないよう、できれば解雇は避けたいのですが、退職を勧めたことが問題とならないようにするためには、どのようなことに注意すればよいでしょうか?

退職勧奨とは


 退職勧奨とは、使用者側から労働者に対して退職を促す行為ですが、労働者がこれに応じるかどうかは自由な意思に基づきます。したがって、本人に辞める意思がなく、合意が得られないからといって一方的に退職させることは、解雇にあたります。退職勧奨の段階であれば、解雇の場合と異なり、解雇手続き(解雇予告など)は必要なく、解雇権の濫用といった問題にもなりませんが、解雇であればこうした責任やリスクを負うことにもなります。


注意点は


 退職勧奨であってもトラブルに発展するケースはあります。単に勧奨だからといっても、強引に行ったり、執拗に退職を迫ったりすると、退職を強要したことになります。強要によって労働者が退職の意思表示をしたとしても、民法(第96条)に基づいて、強迫による意思表示だとして、勧奨を受けた労働者が後に退職の意思を取り消すことができます。

 ケースにもよりますが、懲戒解雇事由にも相当するような悪質な問題行為があった場合を除き、勧奨に応じない場合に解雇などをほのめかすことや、勧奨が長時間に及んだり、複数の人間で取り囲んで行うことは、労働者にとっては相当な心理的圧迫になることもありますので、強迫行為があったとされ、退職の意思を取り消されることもあるでしょう。


うまく進めるために


 労働者が納得するようにうまく退職勧奨を行うには、まずは本人の立場で考えることが重要だと言えます。解雇ではなくとも、退職しなければならない状況が本人にとって思いがけないことであれば、失業後の生活や自身のキャリアにも大きく影響するので、不安に陥ることになります。そんな状況で相手に対する何の配慮もなく退職勧奨をすれば、感情的になり、トラブルにつながることもあります。退職を勧めることになった理由や経緯を丁寧に説明することは勿論ですが、相手を尊重して誠意を持って対応することが求められます。

 また、相手の将来のことも踏まえて、これからどのようにキャリアを積んでいけばよいか、再就職の支援や失業者に対する公的な支援なども含めて、大きな不安に陥らないよう、相談があれば親身になって受けることも必要でしょう。そして、結論を急がず、十分に考えがまとまるだけの時間的な猶予を与えておくことや、自分の意思で結論を導くことができるような雰囲気を作ることも重要です。

 こうしたことで、冷静になって自分なりに判断し、最終的には自分の意思で退職することを決断したのであれば、トラブルになることはおそらくないでしょう。

5.参考資料 (無期転換ルールの特例、585件を認定)


 有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、労働者の申込みにより、期間の定めがない労働契約に転換するルール(無期転換ルール)こついて、今年4月に施行された特別措置法の規定に基づき、無期転換ルールが適用されない特例の認定が、全国の都道府県労働局で、4月1日から6月30日までの間に585件行われたことが分かりました。

 都道府県別で認定件数が最も多かったのは東京労働局の145件で、次いで静岡(79件)、大阪(63件)、愛知(55件)となっています。月別では4月が116件、5月が202件、6月が267件となっており、今後も増加すると見込まれています。

 無期転換ルールの特例の対象となるのは、

  1. 「5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務」に就く高度専門的知識等を有する有期雇用労働者
  2. 定年後に有期契約で継続雇用される高齢者

 ですが、この特例を受けるためには、都道府県労働局長の認定を受ける必要があります。

 具体的には、特例の適用を希望する事業主は、特例の対象労働者に関して、能力が有効に発揮されるような「雇用管理に関する措置」(注)についての計画を作成し、本社・本店を管轄する都道府県労働局に提出します。都道府県労働局は審査の上、事業主から申請された計画が適切であれば、認定を行うことになっています。

 また、事業主は認定を受けた場合、有期労働契約の締結・更新の際に、無期転換ルールに関する特例が適用されていることを対象労働者に明示する必要があります。

(注)
①の対象者の場合の措置内容の例
〇教育訓練を受けるための有給休暇または長期休暇の付与
○始業及び終業時刻の変更
○勤務時間の短縮

②の対象者の場合の措置内容の例
○作業施設・方法の改善
○健康管理、安全衛生の配慮
○職域の拡大
○勤務時間制度の弾力化

6.参考資料 (日本年金機構からのお知らせ)

7.参考資料  (平成26年度雇用均等基本調査)

 厚生労働省が8月7日に発表した「平成26年度雇用均等基本調査(確報版)」(昨年10月1日現在の状況)によると、女性の育児休業取得率は前年度調査を3.6ポイント上回って86.6%、男性の取得率も0.27ポイント増の2.30%で、男女ともプラスとなったことが分かりました。
 なお、これは企業調査が常用労働者10人以上の6,099企業、事業所調査が同5人以上の5,855事業所を対象に行われました。

企業調査


《正社員の採用状況》

 平成26年春卒業の新規学卒者を採用した常用労働者30人以上の企業は39.8%で、前回(平成22年度33.5%)より6.3ポイント上昇しました。

 採用状況をみると、「4年制大学卒(大学院卒を含む)」の「事務・営業系」では、「男女とも採用」した企業が49.6%で前回より3.8ポイント上昇し、「男性のみ採用」が25.7%で同5.5ポイント低下しました。

 一方、「技術系」では「男性のみ採用」が61.5%で前回より9.5ポイント低下し「男女とも採用」が28.0%で同8.1ポイント上昇しました。

《ポジティブ・アクションの推進状況》

 ポジティブ・アクションに「取り組んでいる」常用労働者30人以上の企業は57.1%で、前回(平成25年度20.8%)より36.3ポイント上昇し、「今後取り組む」は17.2%(同14.0%)となりました。


事業所調査


《育児休業取得者の割合》

 平成24年10月1日から25年9月30日までの1年間に在職中に出産した人または配偶者が出産した人のうち、平成26年10月1日までに育児休業を開始した人(育児休業の申出をしている人を含む)の割合をみると、女性は86.6%で前回(平成25年度83.0%)より3.6ポイント上昇し、男性も2.30%で前回(同2.03%)より0.27ポイント上昇しました。

《育児のための所定労働時間の 短縮措置等の制度の導入状況》

 育児のための所定労働時間の短縮措置等の制度がある事業所は61.3%で、前回(平成25年度62.1%)より0.8ポイント低下しました。

 また、各種制度の導入状況(複数回答)をみると、「短時間勤務制度」が57.9%(同57.7%)、「所定外労働の免除」が54.6%(同55.2%)、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」が29.7%(同31.9%)などとなりました。