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メールマガジン2016年02月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2016年02月 Vol.85

1.人事・総務ニュース

労組の組織率、過去最低の17.4% ~ 27年労働組合基礎調査結果 ~


 厚生労働省はこのほど、平成27年「労働組合基礎調査」の結果をまとめました。

 昨年6月30日現在の状況で、単一労働組合の労働組合員数は988万2,000人と前年に比べて3万3,000人(0.3%)の増加となりましたが、雇用者数に占める労働組合員数の割合を示す推定組織率は17.4%で、前年より0.1ポイント低下して過去最低となりました。

 また、女性の労働組合員数は312万人で、前年比6万6,000人(2.2%)増加しています。



「求人不受理」、対象となる違反条項を特定  ~ 労働政策審議会が答申 ~

 労働政策審議会の分科会は12月25日、「若者雇用促進法」(関連改正法の総称)に係る政省令案要綱等について、妥当と認める答申を行いました。

 同法で、ハローワークは一定の労働関係法令違反の求人者について、新卒者の求人申込みを受理しないことができると定められましたが、同要綱では、求人不受理の対象となる法令違反の条項について特定しました。

 対象にされたのは、①労働基準法および最低賃金法のうち、賃金、労働時間、労働条件明示、年少者の労働条件等に係る条項、②男女雇用機会均等法および育児・介護休業法のうち、規定の違反により公表の対象とされる条項で、法令違反により是正指導を受け是正が行われていないときや公表された場合などであって、一定期間が経過していないときなどの具体的条件も定めています。

 厚生労働省は答申を踏まえ、今年3月1日からの施行に向けて政令等の制定を進めるとしています。



二次会でのセクハラで会社にも賠償命令 ~ 福岡地裁が業務の延長と判断 ~

 会社の新入社員歓迎会の二次会で、スカートがずり上がるほど抱え上げられるなどのセクハラを受けたとして、派遣社員だった20代の女性が自動車販売会社(福岡市)と相手の男性社員に計約120万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁は12月22日、「二次会は業務の延長だった」との判断を示し、慰謝料など約30万円を支払うよう命じました。

 判決で裁判長は、「(男性の行為は)性的羞恥心を害する行為」と指摘したうえで、「勤務時間外・職場外ではあるが、新入社員歓迎会の二次会は職務と密接な関連があった」などとして、会社の使用者責任も認めました。



事業主拠出金を2段階で引き上げ ~ 子育て支援で政府内合意 ~


 政府はこのほど、事業所内保育を主軸とした企業主導型の多様な保育サービスの支援などを目的として、厚生年金保険料とあわせて事業主から徴収している「子ども・子育て拠出金(旧児童手当拠出金)」について、拠出金率の上限の引上げを行うことに合意しました。

 実際の拠出金率の引上げは段階的に実施することとして、平成28年度は現行の0.15%を0.2%、29年度は0.23%とし、30年度以降については実施状況を踏まえ、協議の上決定するとしています。

 政府は28年度の予算計上とともに、子ども・子育て支援法を改正する所要の法律案を通常国会に提出する予定です。


2.社会保険ワンポイント・ゼミナール(育児休業給付の延長)


育児休業給付の支給対象期間


 雇用保険の育児休業給付金は、受給資格のある一般被保険者が、1歳未満の子を養育するために育児休業を取得している期間を対象に受けることができます。(「パパママ育休プラス制度(*)」を利用する場合は、原則1歳2ヵ月までの間で最大1年間支給を受けられます)

 支給額は、育児休業の開始から6ヵ月までは休業開始時賃金日額の67%、6ヵ月経過後は50%相当額となっています。

 (*)父母ともに育児休業を取得する場合の育児休業取得可能期間の延長


支給対象期間の延長


 育児休業給付金は、次の要件を満たした場合、最長で子が1歳6ヵ月に達する日の前まで給付を受けられる期間を延長することができます。

(1)育児休業の申し出に係る子について、保育所の入園を希望し、申込みを行っているが、入所待ちなどで、その子が1歳(パパママ育休プラス制度を利用する場合は1歳2ヵ月)に達する日後の期間について、保育の実施が行われない場合。なお、ここでいう保育所には、いわゆる「無認可保育施設」は含まれません。

(2)常態として育児休業の申し出に係る子の養育を行っている配偶者であって、その子が1歳に達する日後の期間について常態としてその子の養育を行う予定であった人が、以下のいずれかに該当した場合
・死亡したとき
・負傷、疫病又は身体上若しくは精神上の障害により育児休業の申し出に係る子を養育することが
困難な状態になったとき
・婚姻の解消その他の事情により配偶者が育児休業の申し出に係る子と同居しないこととなった
とき
・6週間(多胎妊娠のときは14週間)以内に出産予定であるか、又は産後8週間を経過しないとき


保育所の入所申し込みが大切

 保育所に入所できないことに係る延長対象の要件として、保育所の入所申込みを行っていることがありますので、問い合わせだけにとどめて、実際に入所申込みを行わなかった場合は延長は認められません。

 また、申込みをした場合でも、入所希望日は、1歳の誕生日(パパママ育休プラス制度を利用する場合は休業終了予定日以前となっていることが必要です。育児休業給付金の支給対象期間延長の申し出をする際には、延長の要件を満たしていることの確認のため、市区町村が発行した入所不承諾の通知書(保留通知)など当面保育所において保育が行われない事実を証明することができる書類の提出が必要となります。

 したがって、延長が認められるにはこうした書類を準備しておくことや、市区町村によっては、入所申込みの時期も異なりますので、入所希望の時期も十分余裕を持って確認しておくことを、延長を希望している受給者に対して知らせておくことが大切です。



3.参考資料 (所得により生活習慣の状況に差)

 このほど厚生労働省が発表した「平成26年国民健康・栄養調査」によると、所得の低い世帯では、所得の高い世帯と比較して、米やパンなど穀類の摂取量が多く、野菜類や肉類の摂取量が少ないということが分かりました。
この調査は平成26年11月、全国の5,432世帯を対象に実施。有効回答が得られた3,648世帯について分析したものです。

所得と生活習慣等に関する状況

 世帯の所得を「200万円未満」、「200万円以上~600万円未満」、「600万円以上」の3群に分けて生活習慣等(食生活、健康診断、たばこ等)の状況を比較しました。

 穀類の1日あたりの摂取量は、世帯の所得が600万円以上の男性で494gに対して、200万円以上~600万円未満は520g、200万円未満は535g。女性も同様に352g、359g、372gと所得が低いほど摂取量が多くなっています。

 一方、野菜類と肉類の摂取量は男女とも所得が高いほど多く、低いほど少なくなっています。また、健診を受けていない人の割合は所得が低いほど高く、600万円以上の男性で16.1%に対して、200万円未満は42.9%に上っています。

 現在習慣的に喫煙している人の割合も同様。特に顕著なのは女性で、600万円以上が5.6%に対して、200万円未満は15.3%で約3倍となっています。


肥満およびやせの状況

 肥満の人(BMI25以上)の割合は、男性28.7%、女性21.3%で、前年に比べて男性は変わらず、女性は1.0ポイント上昇。年齢別にみると、男性では50歳代(34.4%)、女性では70歳以上(24.7%)でそれぞれ最も高くなっています。

 一方、やせの人(BMI18.5未満)の割合は、男性5.0%、女性10.4%で、前年に比べて男性は0.3ポイント上昇し、女性は1.9ポイント低下。年齢別にみると、男女とも20歳代で最も高く、男性13.0%、女性17.4%となっています。


糖尿病に関する状況

 「糖尿病が強く疑われる人」の割合は、男性15.5%、女性9.8%で、前年に比べて男性は0.7ポイント低下し、女性は0.6ポイント上昇。年齢別にみると、男女とも70歳以上で最も高く、男性22.3%、女性17.0%となっています。


血圧の状況

 収縮期(最高)血圧の平均値は、男性135.3mmHg、女性128.7mmHgで、140mmHg以上の人の割合は、男性36.2%、女性26.8%。この10年間でみると、140㎜Hg以上の人の割合は男女とも低下傾向となっています。


運動の状況

 運動習慣のある人(1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している人)の割合は、男性31.2%、女性25.1%で、前年に比べて男性は2.6ポイント、女性は2.1ポイントそれぞれ低下。年齢別にみると、男性では30歳代(13.1%)、女性では20歳代(10.1%)で最も低くなっています。

 また、1日の歩数の平均値は、男性7,043歩、女性6,015歩で、前年に比べて男女とも減っています。


飲酒の状況

 飲酒習慣のある人の割合は、男性34.6%、女性8.2%で、2年前に比べて男性は0.6ポイント、女性は0.9ポイントそれぞれ上昇しています。


喫煙及び禁煙意思の有無の状況

 現在習慣的に喫煙している人の割合は、男性32.2%、女性8.5%で、前年に比べて男性は変わらず、女性は0.3ポイント上昇。年齢別にみると、男女とも30歳代で最も高く、男性44.3%、女性14.3%となっています。

 一方、たばこをやめたいと思う人の割合は、男性26.5%、女性38.2%で、前年に比べて男性は3.1ポイント、女性は9.6ポイントそれぞれ上昇。年齢別にみると、男性では70歳以上(35.7%)、女性では30歳代(50.7%)で最も高くなっています。


野菜摂取量の状況

 野菜摂取量の平均値は、男性300.8g、女性285.0gで、年齢別にみると、どの年代でも厚生労働省が推奨する1日350gには達していません。


健診の受診状況

 過去1年間に健診を受診しなかった人(未受診者)の割合は、男性27.8%、女性37.1%で、年齢別にみると、男性では70歳以上(38.6%)、女性では30歳代(46.7%)で最も高くなっています。

 また、健診の受診状況別に生活習慣等の状況(たばこ、運動、体型、血圧)を比較すると、女性の肥満者の割合は未受診者で高く、また男女とも現在習慣的に喫煙している人の割合、運動習慣がない人の割合、血圧の平均値は未受診者で高くなっています。


4.労務管理(トラブル回避の対応術)

 早期に退職した社員から研修費用を返してもらえるか?
 当社は、採用した社員に外部の研修を受けさせています。しかし、研修が終わって1ヵ月もしないうちに辞めてしまう社員がいたため、今後、一定期間内に自主退職した場合は、研修費用を返還してもらうようにしたいのですが、問題はないでしょうか?

「賠償予定の禁止」とは


 労働基準法(第16条)では、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定められています。

 一般の契約では、契約自由の原則に基づいて債務不履行の場合などに違約金の支払いなどを定めることはあります。しかし、労働契約において、違約金や損害賠償額をあらかじめ定めておくことは、労働者に過度の心理的な負担を与えたり退職の足止めになったりするなど、不当な扱いにつながることになるので、そうした事態が生じることを防止するためにこの条文が設けられています。
したがって、労働者が早期に退職するにあたって、研修費用を労働者から返還させることができるかどうかは、この条文に照らして違法かどうかが判断されることになります。



業務との関連性


 判断にあたっては、研修の必要性、業務との関連性がどの程度あるのかが一つのポイントになります。

 研修を受けることが会社の業務の一環として位置づけられていれば、新入社員教育のように使用者として当然行うべき性質のものであるため、それに支出された研修費用の返還を求めることには合理性がないとされ、返還が認められなかった判例があります。

 一方で、社員の留学制度に基づいて会社が留学費用を負担し、帰国後一定期間を経ずにやむを得ない事情もなく退職した場合に、費用を返還するとした誓約書を取り交わしたことについて、以下により会社の返還請求が認められた例もあります。①留学の応募は社員の自由意思に基づくもので会社の業務命令ではないこと、②費用の支給に関しては、留学終了後に一定期間勤務した場合は、返還義務を免除する旨の特約付きの金銭消費貸借契約が成立していること。


返還請求が問題になるのは


 こうした例からみると、業務命令により特定の研修を受けなければならないものであって、受けた後一定期間を経ずに退職した場合に会社が負担した費用を返還させる取り決めをしていれば、労働契約の不履行に対する違約金または損害賠償額の予定をしているものと解される可能性は高いと言えます。

 これとは違い、業務との関連性の程度にもよりますが、研修の受講は強制ではなく、労働者の意思に委ねられていて、希望者には会社がその費用を貸す制度として定めたうえで、その返還にあたって、一定期間勤務していれば返還義務を免除するといった内容であれば、労働契約の不履行とは無関係の金銭消費貸借契約にすぎないと解されることもあるでしょう。


5.参考資料 (雇用保険料率、28年度は引下げへ)


 厚生労働省は1月13日、「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」について、労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)に諮問しました。

 同法案要綱では、雇用保険の財政状況等を勘案して、平成28年度は失業等の給付に係る雇用保険料率を引き下げることが盛り込まれました。実施されれば、一般の事業では現行の1000分の10から1000分の8に引き下げられることになります。

 また、65歳以降に新たに雇用される人を雇用保険の適用対象とすることや、4月1日現在で64歳以上である人の雇用保険料の徴収免除制度を廃止して、一定の経過期間を設けて原則どおり徴収することもあげられています。

 一方で、65歳以上の多くが中小企業に雇用されていることなどを踏まえ、雇用保険料の徴収免除の廃止に併せて、65歳以上の高齢者を一定割合以上雇用している事業主に対する助成措置も盛り込まれました。

 このほか、政府が方針を打ち出している介護離職の防止に向け、介護休業給付の給付率を休業前賃金の67%(現行は40%)に引き上げる、介護休業の分割取得を可能とするなどとしています。また、育児一介護休業法の改正に併せて、介護休業給付と育児休業給付の給付範囲なども見直すとしています。

 厚生労働省は、今の通常国会に改正法案を提出することにしています。



6.参考資料 (機械包括安全指針)


機械災害と指針


 機械設備による労働災害は、死傷災害については全体の約4分の1を占め、死亡災害については約3分の1を占めています。災害が発生するのには、機械の安全対策が十分でなかったことによるものが少なくありません。

 そこで、国はこのような機械による労働災害の減少を図るため平成13年6月に「機械包括安全指針」を公表し(平成19年7月改正)、すべての機械に適用できる包括的な安全確保の方策に関する基準を示しています。ここでは、機械メーカー、ユーザーの両者に対してそれぞれ実施すべき事項を示しています。

 今回は、この指針による機械の安全化の進め方を見ていきたいと思います。


機械メーカーの実施すべき事項


①機械のリスクアセスメントの実施

 まず、機械の設計段階でリスクアセスメントを行い、機械の危険性または有害性を特定し、リスクを見積もります。リスクに応じた保護方策を実施し、適切なリスク低減を行います。

 この際、機械の本来の使い方だけでなく、予見可能な誤使用やトラブル処理時のリスクも考慮する必要があります。

②リスクアセスメントの結果に基づく保護方策の実施

 機械の本質的な安全化を進める上で、設計・製造段階で機械の安全化を図ることが根本的対策として最も効果的です。機械を操作する者に頼らない安全方策を優先して実施することが重要です。

③残留リスクとその対処

 前記の設備対策を講じた後に存在する残留リスクについては、残留リスクの内容とその対処法についての必要な情報を、「使用上の情報」としてユーザーに提供することが大事です。


機械ユーザーの実施すべき事項


①リスクアセスメントの実施と残留リスクの対処

 メーカーから提供された「使用上の情報」を活用してリスクアセスメントを行い、「使用上の情報」に記載のあった事項以外も含めて必要な保護方策を実施し、リスクが適切に低減されたことを確認します。ユーザーでの設備対策を講じた後でも「残留リスク」が存在することが考えられますので、ユーザーにおいては、作業手順書の作成や労働者に対する教育訓練を行った上で機械を使用することが必要です。

②メーカーに対する情報提供の要求

 メーカーからリスクアセスメントを実施する上で必要な情報が提供されない場合は、メーカーに情報の提供を要求することも必要です。また、メーカーに機械を発注する段階で安全に関する仕様をメーカーに提示するとともに、使用開始後に判明した安全に関する情報をメーカーにフィードバックすることも機械の安全化のためには必要とされています。


 以上、メーカー、ユーザーの両者が、指針に基づく措置を実行することが何よりも大事です。両者が確実にそれぞれの措置を実行することにより、機械の安全化が図られることになるからです。

7.参考資料  (小規模事業所の賃金、0.4%減)


 このほど厚生労働省は、常用労働者1~4人の小規模事業所における昨年7月末現在の賃金、労働時間および雇用の状況をまとめた「平成27年毎月勤労統計調査特別調査」の結果を発表しました。
それによると、きまって支給する現金給与額は19万1、269円で、前年に比べて0.4%減少しています。


賃 金


 平成27年7月におけるきまって支給する現金給与額は19万1,269円で、前年比0.4%減となりました。性別にみると、男性は26万966円で1.2%増、女性は13万9,524円で0.8%減でした。

 主な産業では、「建設業」が24万8,722円で最も高く、次いで「製造業」21万5,219円、「卸売業、小売業」19万1,820円などとなりました。

 平成26年8月1日から27年7月31日までの1年間に、賞与など特別に支払われた現金給与額は21万6, 965円で、前年比4.1%増となりました。
性別にみると、男性は32万745円で9.2%増、女性は13万7,615円で1.5%減でした。

 主な産業では、「医療、福祉」が24万1,744円で最も高く、次いで「卸売業、小売業」21万4,787円、「製造業」20万9,464円、「建設業」20万4,704円などとなりました。


出勤日数と労働時間


 出勤日数は20.4日で、前年より0.3日減少しました。
また、通常日1日の実労働時間は7.0時間で、前年より0.1時間減少しました。


雇用

 常用労働者の割合を主な産業についてみると、「卸売業、小売業」が27.5%で最も高く、次いで「建設業」10.5%、「宿泊業、飲食サービス業」10.1%、「生活関連サービス業、娯楽業」9.3%、「医療、福祉」9.0%などとなりました。

 また、常用労働者に占める短時間労働者(通常日1日の実労働時聞か6時間以下の者)の割合は29.0%で、前年より0.5ポイント上昇しました。