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メールマガジン2016年03月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2016年03月 Vol.86

1.人事・総務ニュース

キャリアアップ助成金の支給額を拡充 ~ 平成28年2月10日改正 ~


 非正規労働者を正社員や無期雇用に転換することなどに取り組む事業主を支援する「キャリア
アップ助成金」について、支給額の引き上げなどの改定が行われました。

 「正規雇用等転換コース」では、中小企業で有期契約労働者を正規労働者に転換した場合の一
人あたりの支給額が60万円(従来は50万円)、有期契約労働者を無期雇用に転換した場合は30万
円(従来は20万円)に引き上げられました。

 また、「多様な正社員コース」では、勤務地限定など『多様な働き方をする正社員』から正社
員に転換した場合も、新しく助成の対象となりました。

 いずれも、転換などの日が平成28年2月10日以降となる場合に適用されます。



平成27年平均失業率、0.2ポイント低下



「正社員転換・待遇改善実現プラン」を決定  ~ 平成32年度までの5カ年 ~

 厚生労働省は1月29日、今後5ヵ年の非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善のための目標・取
り組みについて定めた「正社員転換・待遇改善実現プラン」を決定しました。

 同プランでは、不本意にも非正規雇用となっている労働者の割合を全体で10%以下(平成26年平
均は18.1%)に低減すること、とくに若年層では現状より半減することを挙げています。

 また、新卒者の就職率の向上、短時間正社員制度を導入する事業所の割合を29%(平成26年10月
現在は14.8%)に引き上げるなどの目標を掲げ、ハローワークを通じた取り組み強化などの具体策に
ついて示されています。

 一方、非正規雇用労働者の待遇改善としては、「同一労働同一賃金」の推進策について検討をす
すめることや、名目GDPの成長率に配慮して最低賃金を引き上げることも盛り込まれました。



28年度の年金額は据え置き  ~ 物価・賃金スライドは実施せず ~


 厚生労働省はこのほど、平成28年度の年金額について公表しました。

 年金額改定の指標とされている27年平均の全国消費者物価指数がプラス0.8%、名目手取り賃金が
マイナス0.2%の変動となったことを踏まえ、年金額の改定ルールに基づく改定(スライド)は行わ
れず、28年度の年金額は据え置きとなります。

 ただし、昨年10月に施行された「被用者年金一元化法」により、端数処理がこれまでの100円未
満四捨五入から、1円未満四捨五入に改められたため、月額で数円の増減を生じることがあるとし
ています。


2.社会保険ワンポイント・ゼミナール(健康保険法の改正 標準報酬月額の上限等の引き上げ)

 昨年5月に公布された医療保険制度関連の改正法により、今年4月1日から、健康保険制度の一部
が変わります。

標準報酬月額の上限の引き上げ


 健康保険の保険料や各給付金の計算基礎になる標準報酬月額は、従来、第1級の5万8,000円か
ら、第47級の121万円までの47等級に区分されていますが、4月から等級が3つ追加され、上限が139
万円に引き上げられます。これにより、報酬月額が123万5,000円以上の被保険者は、4月から新し
い等級に該当することになります。

 追加された標準報酬月額の等級の適用については、前年の定時決定(またはそれ以降の直近の随
時改定)の際に届け出た3ヵ月平均の報酬月額が123万5,000円以上である場合、その報酬月額を新
しく追加される等級にあてはめ、4月から標準報酬月額を改定するとしています。

 したがって、改定について事業主が新たな届出をする必要はありませんが、新しい標準報酬月額
に改定された場合は、保険者から通知が届くことになっています。

 なお、厚生年金保険については、標準報酬月額の上限(62万円)の変更はありません。


標準賞与額の上限の引き上げ


 賞与を支払った場合の「標準賞与額(支給額の1,000円未満を切り捨てた額)についても、4月か
ら一年度(4月1日から翌年3月31日まで)の累計の上限が、従来の540万円から573万円に引き上げら
れます。なお、厚生年金保険については、標準賞与額の上限は、1回の支給ごとに150万円と決めら
れていて、同じ月に2回以上支給されたときは合算した額について適用されますが、この上限額は
従来のまま据え置かれます。

 今回の変更は、報酬や賞与が高額ではない被保険者に影響することはありませんが、上限が引き
上げられることで、従来の上限を超える報酬などを受けている人は保険料の負担が増えることにな
ります。



3.参考資料 (昨年の給与、わずかにアップ)

 厚生労働省が2月8日に発表した「毎月勤労統計調査」(速報、常用労働者5人以上の事業所が対
象)によると、平成27年のパートを含む労働者1人1ヵ月平均の現金給与総額は31万3,856円と2年連
続で増加したものの、前年比0.1%増にとどまったことが分かりました。これはボーナスなど特別に
支払われた給与が0.8%減ったことなどの影響だということです。
 なお、速報値は確報で改訂される場合があります。

賃 金

 1人平均の月間現金給与総額は、労働者5人以上の 事業所(以下すべての項目で同規模)で前年比0.1% 増の31万3,856円。物価の上昇分を差し引いた実質賃 金は0.9%減となりました。現金給与総額のうち、き まって支給する給与は0.2%増の25万9,298円(所定内 給与が0.3%増の23万9,712円、所定外給与が0.4%増の 1万9,586円)で、特別に支払われた給与は0.8%減の5 万4,558円でした。

 また、現金給与総額を就業形態別にみると、一般 労働者は0.4%増の40万8,416円、パートタイム労働者 は0.5%増の9万7,818円となりました。




労働時間

 1人平均の月間総実労働時間は、前年比0.3%減の144.5時間となりました。

 総実労働時間のうち、所定内労働時間は0.3%減の133.5時間、所定外労働時間は1.0%減の11.0時
間でした。なお、月間の時間数を12倍して年換算すると、総実労働時間は1734時間(所定内労働時
間が1,602時間、所定外労働時間が132時間)となりました。

 また、総実労働時間を就業形態別にみると、一般労働者は0.1%増の168.8時間、パートタイム労
働者は1.0%減の89.0時間となりました。



雇 用

 常用労働者は、前年比2.1%増の4,776万8,000人で、このうち、一般労働者は1.2%増の3,321万
8,000人、パートタイム労働者は4.2%増の1,455万1,000人となりました。

 また、主な産業についてみると、製造業0.4%増、卸売業、小売業1.0%増、医療、福祉3.2%増とな
りました。



4.労務管理(トラブル回避の対応術)

 出来高払い制でも給与は保障するべきか?
 当社では、今年から新規事業拡大のため契約型の営業社員を増やすことにしました。営業経験が
豊富な者を採用して、当初3ヵ月間は固定給、その後は固定給をなくし、営業成績に応じた出来高
払い制とする新しい給与形態も検討しています。
 この場合、成果が上がらなかった月でも、ある程度の給与を支払うことを決めておかなければな らないでしょうか?

出来高払い制の保障額


 昨今、営業社員に一定のノルマを課す企業は少なくなっているようですが、出来高払い制などの
営業成績に応じた賃金制度を導入し、業績と人件費を連動させて経営の安定を図る企業もあるで
しょう。しかし、労働基準法(第27条)では、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者につ
いては、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」と定められてい
て、これに違反して賃金の保障をしない使用者は、30万円以下の罰金に処せられます。

 同法では保障の額についての明確な規定はありませんが、保障給の趣旨に関する通達では、労働
者の責に基づかない事由によって賃金が低下することを防ぐために保障給が必要だとして、常に通
常の賃金とあまり隔たらない程度の収入が保障されるように額を定めるものだとしています。ま
た、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に支払われる休業手当が平均賃金の6割以上とさ
れているため、これを目安として保障することが妥当だと考えられています。



労働時間との関係


 前記のとおり、出来高払い制における保障給は労働時間に応じた一定額であることが必要です。
したがって、実際に就労した時間に対して1時間あたりの保障給を決めておくことが原則となるで
しょう。それであれば、有給休暇を除いて労働者が自らの都合で実際に就業しなかった場合には、
この時間に対する保障給を支払う必要はありません。

 また、出来高払い制の賃金でも、最低賃金法に基づいて都道府県ごとに定められた地域別最低賃
金(または地域内の特定の産業に定められた特定最低賃金)を下回ることはできません。現在の最
低賃金は時間給で定められていますので、時間あたりで定める保障給の額も最低賃金以上でなけれ
ば法違反となってしまいます。


明確にしておくことがトラブル防止


 賃金に関する事項は、使用者が労働者に対して書面で明示することが義務づけられていて、就業
規則においても必ず記載しなければならないものとされています。

 したがって、出来高払い制を導入するときは、単に出来高払い制を適用することだけではなく、
出来高払い制の基準や賃金計算の方法、保障給についても明らかにしておくことが、無用なトラブ
ルを防ぐためには重要と言えるでしょう。


5.参考資料 (産業医の職務)

産業医とは


 産業医は、事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導助言を行う医師
のことです。労働者の健康を考えるとき、その範囲は非常に多岐にわたります。そして、健康は、
社会の変化とともにその問題とされる重点も異なってきます。

 昨今は、過重労働による健康障害やメンタルヘルス不調の問題が多く取り上げられるようにな
り、昨年12月から施行されているストレスチェックもその対策の一例と言えます。このように健康
の重点の変化は、産業医の仕事に対しても影響を及ぼすことになります。今回は、このように社会
の変化にも向き合っている産業医について、その基本となる職務を見てみたいと思います。


産業医の主な職務


  1. 健康診断及び面接指導等の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措
    置に関すること
  2. 健康診断の企画・立案に関する助言指導、健康診断の実施、長時間労働者等に対する面接指導
    の結果に基づく事後措置に関する助言指導等

  3. 作業環境の維持管理に関すること
  4. 有害物質の使用状況・管理状況の把握、有害物質の適正な管理に関する助言指導、職場の禁煙
    化・分煙化に関する助言指導等

  5. 作業の管理に関すること
  6. 有害業務における作業方法の適正化、保護具の適正使用、作業時間の適正化及び作業姿勢の改
    善に関する助言指導等

  7. 労働者の健康管理に関すること
  8. 健康管理計画の企画・立案への参画、リスクアセスメントの結果に基づく措置に関する助言指導


  9. 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること
  10. 職場におけるメンタルヘルスの助言指導、過重労働に関する健康障害についての教育、喫煙に
    関する教育等

  11. 衛生教育に関すること
  12. 労働衛生教育の企画に関する助言指導等

  13. 労働者の健康障害の原因調査及び再発防止のための措置に関すること
  14. 健康障害の原因調査の結果に基づく再発防止のための労働衛生管理の改善の助言指導等


6.参考資料 (協会けんぽ、新・健康保険料率を決定)

 全国健康保険協会は、平成28年3月分(4月納付分)から適用される都道府県(支部)ごとの健康
保険の保険料率を決定しました。保険料率が改定されるのは40の支部で、そのうち、引き上げが22
支部、引き下げが18支部となっていて、7支部では据え置かれることになります。これにより、保
険料率の全国平均は改定前と同じ10%となっています。

7.参考資料  (外国人労働者91万人、最高を更新)

 外国人雇用状況の届出に基づき、このほど厚生労働省が集計した結果によると、昨年10月末現
在、日本で働く外国人労働者数は90万7,896人と前年同期に比べて12万269人(15.3%)増加し、3年連
続で過去最高を更新したことが分かりました。

外国人労働者の割合


 平成27年10月末現在、外国人労働者数は90万7,896人で、前年同期に比べて12万269人(15. 3%)
の増加となりました。

 国籍別にみると、中国(香港等を含む)が最も多く外国人労働者全体の35.5%(32万2,545人)を 占め、次いでベトナム12.1%(11万13人)、フィリピン11.7%(10万6,533人)、ブラジル10.6% (9 万6,672人)となりました。

 また、在留資格別にみると、「身分に基づく在留資格」が外国人労働者全体の40.4%(36万7,211
人)を占め、次いで「資格外活動(留学を含む)」が21.1%(19 万2,347 人)、「技能実習」が
18.5%(16万8,296人)、「専門的・技術的分野の在留資格」が18.4%(16万7,301人)となりまし
た。


外国人雇用事業所の割合


 外国人を雇用している事業所数は15 万 2,261ヵ所で、前年同期に比べて1万5,208ヵ所 (11.1%)の増加となりました。

 都道府県別にみると、東京が27.4%(4万 1,788 ヵ所)を占め、次いで愛知8.0%(1 万 2,242ヵ所)、神奈川6.5%(9,894ヵ所)、大 阪6.3%(9,617ヵ所)となりました。

 産業別にみると、「製造業」が24.9%(3万 7,919ヵ所)を占め、次いで「卸売業、小売 業」16.8%(2万5,520ヵ所)、「宿泊業、飲食 サービス業」14.2%(2万1,624ヵ所)、「サー ビス業(他に分類されないもの)」7.8%(1万 1,933ヵ所)となりました。



外国人労働者の就労実態

 都道府県別にみると、東京が30.5%(27万6,909人)を占め、次いで愛知10.4%(9万4,698人)、 神奈川5.7%(5万1,854人)、大阪5.0%(4万5,838人)、静岡4.4%(4万376人)となっており、こ の5都府県で全体の半数を超えています。

 産業別にみると、「製造業」が32.6%(29万5,761人)を占め、次いで「サービス業(他に分類
されないもの)」13.6%(12万3,659人)、「卸売業、小売業」12.5%(11万3,251人)となってい
ます。