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メールマガジン2018年04月

メールマガジン メールマガジン「人事・総務レポート」
2018年04月 Vol.111

1.人事・総務ニュース

マルチジョブホルダーに雇保適用へ ~副業・兼業を推進~


 厚生労働省は、労働者の副業・兼業を促進する一方で、マルチジョブホルダー(複数事業所就労者)の雇 用保険制度適用のあり方について本格的な検討を開始しました。

 現行制度では、1週間の所定労働時間が20時間以上で、同一事業所に継続して31日以上雇用される見込み がある場合を適用要件としています。一方、同時に2つ以上の雇用関係にある労働者は、「主たる賃金を受 ける1つの雇用関係」についてのみ被保険者となれるとされています。

 A事業所で15時間、B事業所で10時間の就業をしているマルチジョブホルダー等は、雇用保険制度の恩恵を 受けられません。

 このため、学識経験者で構成する「複数の事業所で雇用される者に対する雇用保険の適用に関する検討会」 を設置して報告書を策定し、労働政策審議会での議論につなげる方針です。



30歳代後継者に事業承継を ~高齢社長はM&A検討も~


 次代の後継者が30歳代のうちに事業承継を――東京商工会議所は、事業承継の実態に関するアンケート調査 報告書を取りまとめました

  団塊世代の引退が本格化する中、数年のうちに事業承継に直面する中小・零細企業の増加が見込まれていま す。同報告書では、後継者を決定している企業の方が、未定段階の企業よりも、株式譲渡や教育に着手してい る割合が高いと指摘しました。

 効果的な事業承継を行うタイミングとして、後継者が30歳代の時期に検討(40歳代前半までに引継ぎ)する のがベターで、新製品開発や販路開拓を通じて業績を好転させているケースが多いと分析しています。現経営 者が高齢の場合、自社従業員等への承継が円滑に進まなければ廃業の危機もあるため、承継の準備と並行して、 M&Aの実施も検討するよう勧めています。



平均正社員数が過去最高に ~経産省調査~


 経済産業省の企業活動基本調査の速報で、1企業当たり正社員数が過去最多の319人に上ることが分かりま した。(対象者従業者50人以上、資本金3000万円以上の企業)

 平成28年度における1企業当たり常時従業員数は499人で、前年比0.8%減少しました。このうち、正社員・ 正職員は同0.6%増の319人となり、比較可能な18年度以降、最多を記録。小売業が横ばいで、製造業、卸売業 は増加しています。



死亡災害が増加に ~厚労省29年速報値~


 労働災害による死亡・死傷者数がともに増加――厚生労働省は、平成29年における労働災害発生状況(29 年12月末速報値)を取りまとめました。

 近年、減少傾向にあった死亡災害は872人で、前年同期比31人で3.7%増。災害類型では墜落・転落が7.2% 増え、全体の3割近くを占めています。



2.職場でありがちなトラブル事例 ~通勤の便悪いと配転拒否 所属部門全体が遠隔地に引っ越し~


 社内のシステム部門が、執務環境対策等の必要から、本社とは離れた場所に引っ越すことに決まりました。

 しかし、部員の1人が「通勤時間が長くなる」などの理由で受け入れません。「元から配転を希望し ていた」ので、この機会に本社内の他部署に移りたいと主張します。両者の意見は平行線をたどり、結 局、紛争調整委員会のあっせんに委ねられることになりました。


従業員の言い分


 入社以来、本社ビルで勤務し、今後も同じ場所で働き続けられると思っていました。新しい事務所では、 通勤時間が1時間長くなるなど労働条件が大幅に低下します。

 そもそもシステム部門内では、上司・同僚のいじめを受けていて、他部門への配置転換を求めていました が、受け入れられなかった経緯があります。この問題は、本社内の異動によりスムーズに解決できるはずで す。



事業主の言い分


 今回の移転は部門全体を対象とするもので、例外なし、所属部員全体の配転を予定しています。

 通勤時間については首都圏では通常の範囲内で、時差通勤の求めがあれば認めるつもりでいます。また、 いじめ・嫌がらせ等の事実は確認されず、指示・助言を嫌がらせと取り違えているだけではないかと思いま す。



あっせんの内容

 今回は「転勤」ではなく、通勤時間の長さが問題となっていますが、この点については、判例でも「通勤 2時間以内は通勤困難といえない」という判断基準が示されています。

 いじめ・嫌がらせの事実は立証されず、本人も「できるだけよい条件で退職」という意向を示しているの で、退職条件に関する妥協点を探る方向で解決を促します。



結果

 退職条件は以下のとおりとすることで、両者が合意文書を作成しました。

 ・離職票上の退職理由を退職勧奨とする。
 ・退職日は有給休暇を完全に取得し終わった日とする。

 部員側の「遠い事務所に通勤してまで、会社に居続ける意味はない」という本音をくみ取った形の結果とい えます。



3.調査  厚労省・「毎月勤労統計調査(平成29年分確報)」

 毎勤(毎月勤労統計調査)は、月単位で賃金・労働時間・雇用情勢等の変動を把握し、公表しています。 今回取り上げるのは、その平成29年(1月~12月)の総計(確報)です。


 地域最低賃金の引上げと人出不足があいまって、 パートの時給は急ピッチで上昇しています。平成 29年の全国平均は1110円で前年比2.4%の伸びを示 しました。

 時給がこれだけ上がったのだから、パートさんの 暮らしも相当によくなったかと思いますが、月当た りの金額をみると思ったほどではありません。平成 27年を100とした現金給与総額(月例給与+賞与) 指数は100.6で、前年と比べると0.7%の伸びにとど まっています。



4.身近な労働法の解説 ~36協定の締結当事者の選出~


 相模原市の学校法人が36協定の「労働者の過半数を代表する者」を選出するプロセスにおいて、法令 に定める手順を踏んでいないとして、労基署の是正勧告を受けました。(2018年1月学校法人発表)

 36協定の過半数代表者が適正に選出されていない場合、協定自体が無効とされ、使用者は、時間外・ 休日労働をさせた時点で労基法違反とされます。

 働き方改革において時間外労働ありきで上限規制が議論されるなか、労基法を監督する現場は、その 前提とされる労使協定の有効性にメスを入れたと言えます。

 この学校法人では、36協定のほか、就業規則の意見を聴くにあたっての過半数代表者選出プロセスに ついても是正勧告されました。


法令に定める選出のポイント


ポイント1 過半数代表者となることができる労働者の要件

 管理監督者とは、一般的には部長、工場長など、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な 立場にある人を指します。過半数代表者の選出に当たっては、管理監督者に該当する可能性のある人は避けた 方がよいでしょう。



ポイント2 過半数代表者を選出するための正しい手続き

 選出手続きは、投票、挙手の他に、労働者の話し合いや持ち回り決議などでもかまいませんが、労働者の過 半数がその人の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きがとられていることが必要です。また、 選出に当たっては、パートやアルバイトなどを含めたすべての労働者が手続きに参加できるようにしましょう。

 会社の代表者が特定の労働者を指名するなど、使用者の意向によって過半数代表者が選出された場合、その 36協定は無効です。

 社員親睦会の幹事などを自動的に過半数代表者にした場合、その人は36協定を締結するために選出されたわ けではありませんので、協定は無効です。この場合は、改めて36協定の締結当事者となることの信任を得てく ださい。



5.実務に役立つQ&A ~在宅勤務で資格喪失? 雇用保険の被保険者~


 テレワーク制度の導入を検討しています。雇用保険は引き続き被保険者として取り扱うのでしょうか。 個人事業主や内職とはどういった点で異なるのでしょうか。


 いわゆるテレワーク(在宅)勤務者は、以下の5つの要件をすべて満たしたとき、被保険者になります。

① 指揮監督系統が明確なこと
② 拘束時間等が明確なこと
③ 各日の始業・終業時間等の勤務時間管理が可能なこと
④ 報酬が、勤務期間・時間を基礎としていること
⑤ 請負・委任でないこと

 ⑤については、たとえば通信費等々について本人の金銭的負担のないことが、就業規則等に 明示さ れている等の条件を満たす必要があります。

 テレワークには雇用型と非雇用型の2種類がありますが、自宅で仕事をするからといって、すべて非 雇用型(雇保の被保険者にならない)に分類されるわけではありません。



6.助成金情報  ~キャリアアップ助成金が拡充します~

 キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者のキャリアアップを支援するために、正社員化の取組等に対 してなされています。

 非正規雇用労働者について、雇用の不安定、低賃金、能力開発の機会が少ないという問題意識の下に、そ の処遇改善に重要な役割を果たしています。

 平成30年度は、いくつかの拡充と整理統合が行われる予定です。

 労働契約法の無期転換ルールの実質スタートへの対応策としても有効な助成金ですので、今後も活用が期 待されます。

 ※金額等の詳細や生産性要件を満たした場合の額等は厚生労働省HP「キャリアアップ助成金」をご参照ください。


7.コラム  ~高度専門職と永住申請~

 近頃、お客様からの問い合わせで多く寄せられるのが、自社で採用した外国人 社員の「高度専門職」への変更申請です。「高度専門職」とはハイスキルの外国 人材を獲得するために創設された在留資格で、該当する場合にはその外国人には 在留申請の期間短縮など、普通の在留資格にはない数々のメリットが与えられま す。中でも一番の目玉は、永住申請までの滞在期間の要件が10年から1年間に短 縮されることです。

 このような動きを受け、外国人社員の方が「高度専門職」と「永住権」の取得 を望み、雇用企業に相談するケースが増加しています。多くの場合、これらは個 人的な手続きとなるため、雇用企業がそのコストを負担することは少ないようで す。しかし、相談された際に雇用企業としても何も対応しない訳にもいかず、人 事部などのご担当者様が対応に困りご連絡を頂くことが多くあります。

 このような状況に対応するため、ACROSEEDでは現在お取引のある企業様の従業 員の方を対象に、「高度専門職」と「永住権」の申請を特別サービスで実施して おります。

・ご相談は無料(電話、メール、来社)
・お取引先としての割引料金あり

 なお、「永住権」を取得すると就労の制限がなくなり、どのような職種にでも 就くことが可能となり、ジョブローテーションや配置転換などの際にも職務内容 が在留資格に一致するかどうか考慮する必要もなくなります。最近では、企業の 方針として条件に該当する外国人社員にはなるべく早く「高度専門職」と「永住 権」を申請するように促す例も見受けられます。

 外国人社員の方から「高度専門職」と「永住権」のご相談を受けた際には、ぜ ひACROSEEDまでご連絡ください。ご本人と直接連絡を取らせて頂き、親身になっ てご相談に対応させて頂きます。